読みもの
2018.08.02

日めくりオントモ語録/エディタ・グルベローヴァ

イラスト:駿高泰子

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ベッリーニは濃厚な赤ワインで、彼の旋律は独特の重いラインがあります。比べてドニゼッティは白ワインのような軽快さがありますが、ロッシーニほどではありません。ロッシーニはさしずめシャンパンです(笑)。

―― エディタ・グルベローヴァ「音楽の友」2008年8月号より

ベルカントオペラの双璧をなす、ベッリーニとドニゼッティ。その2人の芸術性の違いをワインに例えたのは、コロラトゥーラ・ソプラノの女王エディタ・グルベローヴァ。デビューから40年、特にドニゼッティに魅力を感じていると語り、ドニゼッティの残した57曲のオペラをすべて歌うのに、あと60年は歌い続けなくてはと笑いました。

ドニゼッティ:歌劇『マリア・ストゥアルダ』 ~ カバレッタ「ああ、もしそなたの腕が」
エディタ・グルベローヴァ(ソプラノ)

ベッリーニ:歌劇『ノルマ』 ~ 「清らかな女神よ」
エディタ・グルベローヴァ(ソプラノ)

 

エディタ・グルベローヴァ(Edita GRUBEROVA 1946-)

スロヴァキアのブラティスラヴァ生まれ。故郷の音楽院を卒業し、1968年に同地の歌劇場に《セビリャの理髪師》のロジーナでデビュー。ウィーンに出て、1970年にウィーン国立歌劇場《魔笛》の夜の女王でデビューし、プロとしての本格的な活動を開始した。カール・ベームに認められ、1976年の《ナクソス島のアリアドネ》ツェルビネッタで国際的な注目を集める。以後は世界の一流歌劇場や音楽祭に次々とデビューし、キャリアを広げて行く。《リゴレット》のジルダ、《ランメルモールのルチア》のルチアなどコロラトゥーラの分野で大成功を収めた彼女が、次に挑んだのはベルカント・オペラだった。《清教徒》《シャモニーのリンダ》《テンダのベアトリーチェ》《夢遊病の女》《連隊の娘》など、当時としては珍しい演目を披露。またドニゼッティの女王三部作もエディタが取り上げてから人気になった作品だ。キャリアの後半には《ルクレツィア・ボルジア》や《ノルマ》を歌い、《異国の女》を蘇演した。

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