読みもの
2022.01.28
高坂はる香の「思いつき☆こばなし」第97話

俳優の高橋克典さんの話から蘇る、元筋肉少女帯の三柴理さんの記憶

高坂はる香
高坂はる香 音楽ライター

大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...

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先日、「日本フィル&サントリーホール とっておき アフタヌーン」でナビゲーターをつとめる俳優の高橋克典さん、2月2日公演に出演される指揮の坂入健司郎さんにインタビューをしました。

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高橋さんは、ご両親がクラシックの音楽家。そのため逆にクラシックを敬遠し、長らく他のジャンルの音楽に傾倒する時期を経て、最近またクラシックの魅力を再発見している、とのこと。

一方の坂入さんといえば、私的には、根っからのクラシックマニアというイメージです(ぴあにお勤めの頃、普通にお仕事でご一緒していたので、めちゃくちゃ専門的な音楽の知識があって、なんと指揮もしている、しっかり仕事をするお兄さんというイメージだったのです。いつの間にか、専業の指揮者になっていらした!)。

さすがマニア気質、クラシックにハマったのは幼稚園の頃という坂入さんを前に、「すごいよねぇ、僕も幼稚園の頃から聴いていたはずなんだけどねぇ……」としきりにつぶやく高橋さん。昔を思い出しつつ、こうおっしゃいました。

「でも、いましたね、そんなふうにクラシックがすごく好きな同級生が。休み時間のたびにカセットで聴いて、指揮をしたりしてるんです。そのうち1人は、ゴリゴリのロックミュージシャンになりましたけど。三柴江戸蔵って、元筋肉少女帯のキーボードの……」(高橋さん)

筋肉少女帯メジャーデビューアルバム『仏陀L』(ピアノが大活躍の1曲目は、大槻ケンヂと三柴江戸蔵が作曲)

あれ、私、三柴江戸蔵さん(現在は三柴理さんとしてご活動)、インタビューしたことある……と気づき、よみがえる記憶。そういえば、高校生のときバンドに入れられて嫌だった、大音量で耳がやられるとピアニシモが聴こえなくなるから、リハではずっと耳栓してるっていってたような?

「そうそう! あいつはバンドに参加するのが嫌で嫌で。でも、ディープパープルとかレッドツェッペリンとかやるのにキーボードがほしいからってお願いしたんですよ。でも嫌がって、ソロが終わると帰っちゃうの」(高橋さん)

その話、聞いたことある……と思い、昔の記事を読み返したら、見事、三柴さんこんなふうに語っていました。

「高校時代、俳優の高橋克典くんが同級生にいて、ピアノがほしいから、三柴、弾いてくれっていわれて。だけど本番うるさくて嫌だから、前奏だけ弾いてお辞儀してステージ降りて、学校からも帰っちゃった(笑)」(月刊「ショパン」2008年7月号より)

ピアノ大好き、子どもの頃はずっとクラシックのピアノを勉強していて、楽器には優しく触れたい三柴さん。ロックバンドでは、やはり舞台での立ち居振る舞いも演出のひとつとして大事なので、筋肉少女帯時代は「弾く前はガーッと腕を振り上げて、鍵盤のところにきたらちゃんと優しく弾いて、またガーッとやる」とおっしゃっていました。逆にすごいテクニック。

というわけで、思いがけず、14年の時を経て2人の同級生の証言がつながった、というお話でした。

三柴 理ソロアルバム『ROCKS & CLASSICS』PV

高坂はる香
高坂はる香 音楽ライター

大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...

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