読みもの
2019.03.22
『メリー・ポピンズ リターンズ』

楽曲の有名な名作映画『メリー・ポピンズ』が大人になって帰ってきた!

みんな大好き『メリー・ポピンズ』の楽曲を中心に、映画ライターのよりひろまさみちさんが紹介します。作曲家のマーク・シェイマンのお言葉付きで解説。

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よしひろまさみち
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よしひろまさみち 映画ライター・編集者

音楽誌、女性誌、情報誌などの編集部を経てフリーに。『sweet』『otona MUSE』で編集・執筆のほか、『SPA!』『oz magazine』など連載多数。日本テ...

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ストーリーよりも曲が有名!?

みんな大好き『メリー・ポピンズ』! おそらくこの名前を知らない人は……いる? ねぇ、ホントにいる?

あれよ、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」とか「チム・チム・チェリー」とかの楽曲、知ってるわよね? とかとか~、浅田真央ちゃんが2012~2013年のエキシビジョンの演目で採用したアレ。とかとか~! って、例を挙げればきりがないほど、本編以上に楽曲が知られているアレよ!!

そもそも『メリー・ポピンズ』大ヒットの理由

そもそもですが、『メリー・ポピンズ』とはなんぞや、ってお話をしますと、1965年の名作ミュージカル(ストーリーに関してはググってね)。第37回アカデミー賞では、最多13部門にノミネートされて5部門を受賞したという傑作ですの。

しかも公開当時、『メリー・ポピンズ』は原作本が飛ぶように売れていて、子どもたちのマスト本になってたのね(その辺のことについては、映画制作当時の騒動を描いた実話ベースの映画『ウォルト・ディズニーの約束』で描かれているから、そっちもチェックして)。

なにがそんなに評価されたかっていうと、子ども向け、と思わせておいて、子どもを連れて行った大人が感動するという、バッチリ練り込まれたストーリーと映像。特にアニメーションと実写の合成は画期的で、それが今ある、あらゆる合成映像(CG含む)に成長していったほど。革命的な映画だったんですねー(遠い目)。

続編『~リターンズ』はいかに?

その続編『~リターンズ』が公開されております。公開されているからこちらもストーリーは割愛ね(さぁ、ググりなさい!)。

ざっくりいうと前作から25年後、バンクス家の姉弟は大人になってるんだけど、さらなるピンチが一家に訪れてメリー・ポピンズが助けにやってくるってお話。

なにがすごいって、前作に関わったレジェンドが大量投下されているのよ! 前作で準主役だったディック・ヴァン・ダイクが歌って踊る、という狂気。まさかこんな続編を21世紀に見られるとは思わなんだ……。

それだけじゃないの。楽曲もすごい。前作の楽曲はこれまたレジェンドのシャーマン兄弟が手がけているんだけど(弟のリチャードは健在。『プーと大人になった僕』のエンドロールで弾き語りしているおじいちゃん)、今作ではマーク・シェイマンが作曲を手がけてるのね。

彼、いわばブロードウェイ&映画音楽の大物で、『ヘアスプレー』とか『天使にラブソングを…』とか手がけてる人。あ、もちろんリチャードはコンサルタントとしても参加してるという、映画や舞台が好きな人には「あぁ、なんつー豪華な!」というメンツ。

「チム・チム・チェリー」とかは流れないけど、前作の「2ペンスを鳩に」、「タコをあげよう」などがちょいちょい引用されつつも、新バージョンで出てくるのよ~。このサントラ、アメリカではバカ売れしておりまして、ビルボードチャートで50位内。

そんなマーク・シェイマンにお言葉ちょうだいしましたので、最後に披露します。心して読め!

「前作は僕の子ども時代は『メリー・ポピンズ』っていえるくらい、他に子ども時代の思い出はないんだ。作曲と作詞の能力をもった子どもとして、そのオーケストレーションは魅力的だったんだよね。後で知ったんだけど、Fの和音から始まって、ヴァイオリンが入ってきて、それからイギリスのホーンが『2ペンスを鳩に』で入ってくる。

当時、僕は4歳で、それらの楽器がなにか知らなかった。でも、それを知りたいのはわかっていた。そして、その反復、その歌詞、そのコードが『なぜそういったコードが僕にとても深く響いてくれるのだろう?』となった。こういったことが僕の脳や耳、僕のハートに流れ込んできて、サントラからあらゆることを学んだんだ。そして大人になって、この夢が現実のものとなったんだよ」

映画
『メリー・ポピンズ リターンズ』

上映中

監督 ロブ・マーシャル

出演 エミリー・ブラント、リン=マニュエル・ミランダ ほか

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よしひろまさみち
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よしひろまさみち 映画ライター・編集者

音楽誌、女性誌、情報誌などの編集部を経てフリーに。『sweet』『otona MUSE』で編集・執筆のほか、『SPA!』『oz magazine』など連載多数。日本テ...

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