読みもの
2025.02.17
名曲解説100

30秒でわかるショパン:バラード第1番

ショパン:バラード第1番について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

フレデリク・ショパン(1810〜49)は、4曲のバラードを残しています。それらは、彼と同じポーランドの詩人ミツキエヴィチの叙事詩に霊感を得たといわれてきましたが、具体的な詩との関連は明らかではありません。ただ彼のバラードが自由な形式のうちに叙事的な展開が織りなされる劇詩的な性格を持っていることはたしかです。

第1番はミツキエヴィチの詩「コンラード・ヴァーレンロッド」に関連する作品とされてきました。作曲の着手はショパンが母国ポーランドを離れて間もない1831年、ちょうどワルシャワ動乱の報を受けて母国の情勢を心配していた時期のことで、情熱と憂いの間を激しい起伏で揺れ動くこの作品はそうした祖国への想いを反映させたものとみられています。完成までには時間を要し、1835年にパリで書き上げられました。

両手オクターヴによる序奏で始まり、主部は、メランコリックな第1主題と情感に満ちた第2主題によって劇的な展開が繰り広げられていきます。

ショパン:バラード第1番 ト短調  作品.23

作曲年: 1831〜35年

演奏時間: 約9分

編成: ピアノ

関連記事

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ