2025.02.17
名曲解説100
30秒でわかるドヴォルジャーク:交響曲第9番《新世界より》
ドヴォルジャーク:交響曲第9番《新世界より》について30秒で丸わかり♪
チェコ国民楽派の作曲家として知られるアントニン・ドヴォルジャーク(1841〜1904)ですが、後期の一時期、彼はニューヨークの音楽院の院長としてアメリカで生活しました。この「交響曲第9番」はそのアメリカ時代の所産です。
この時期の彼は、アメリカの民俗音楽や文化に興味を持ちつつ、一方で母国チェコへの郷愁の念を募らせていました。そうしたなかで書かれたこの交響曲も、いくつかの主題における黒人霊歌との関連や、アメリカの詩人ロングフェローの叙事詩「ハイアワサ」に基づく発想など、アメリカ文化の影響を窺わせながらも、本質的には母国への想いを表現したような作品となっています。
作曲者自身による“新世界より”という題にも、異郷から故国を想う心情が読み取れます。第1楽章は序奏付きソナタ形式による劇的な楽章で、その第2主題(序奏で予示される)は循環主題としてすべての楽章に登場します。続く緩徐楽章はまさにノスタルジックな美しい楽章で、とくにイングリッシュホルンが吹く主要主題は、日本では「家路」の名で親しまれている有名な旋律です。ボヘミアの民俗舞曲によるスケルツォ楽章を挟んで、劇的な激しさと郷愁感に満ちた叙情が交錯するフィナーレで締め括られます。
ドヴォルジャーク:交響曲第9番《新世界より》ホ短調 作品95
作曲年: 1893年
演奏時間: 約42分
編成: フルート2(第2はピッコロ持替)、オーボエ2、イングリッシュホルン1、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、テューバ1、ティンパニ、トライアングル、シンバル、弦5部
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