【音楽が「起る」生活】ヤーコプスのバロック最先端、期待のムーティ「ローマの松」
2025.03.28
30秒でわかるラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番について30秒で丸わかり♪
フレデリック・フランソワ・ショパン(1810~49)は3曲のピアノ・ソナタを残していますが、この第3番は後期の所産だけに、円熟した筆遣いのうちに確かな構成と豊かな感情表現が結びついた傑作となっています。
このソナタを手がけた頃のショパンは体調を悪化させ、また故国ポーランドにいた父の死去の知らせを受けて落ち込むなど、健康のうえでも精神の面でも苦しい状況にありましたが、そうしたつらい思いが逆に彼の創作意欲を高めたのかもしれません。
緊張感に満ちたソナタ形式による第1楽章では、冒頭に示される第1主題の決然とした性格に当時の彼の強い意志が示されており、叙情豊かな第2主題とともに劇的な発展が繰り広げられます。次のスケルツォ楽章は、軽やかな動きが特徴的ですが、中間にはゆったりとした部分が挟まれて、コントラストを作り上げます。第3楽章は、深い情感に満ちたノクターン風の緩徐楽章で、夢見るような甘く美しい主題を持つ主部に続いて、中間部分では繊細な情感の移り変わりが表現されます。最後は2つの主題が交互に現れながら次第に大きな盛り上がりをみせていく情熱的なフィナーレで全曲が締めくくられます。
作曲年: 1844年
演奏時間: 約28分
編成: ピアノ