プレイリスト
2023.02.03
ただいまショパン第58回

ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調――姉ルドヴィカとの14年ぶりの再会

ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

イラスト:本間ちひろ

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ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調

父が亡くなったショックや、健康状態の悪化を案じた最愛の姉ルドヴィカが、1844年7月ポーランドからフランスにやってきました。実に14年ぶりの再会です。

ショパンとサンドは、姉夫婦をパリとノアンで手厚くもてなします。

ルドヴィカ・イェンジェイェヴィチ(旧姓ショパン/1807〜1855)
第2次世界大戦で破壊されたこの肖像画は1829年、ショパンの最初の肖像画と同じ時期にアンブロジ・ミェロシェフスキによって描かれたもの。

14年ぶりの姉弟の再会がどれほどのものだったかは想像以上で、姉と弟の話はつきなかった。ショパンは元気にふるまってパリを案内した。しかしやがて疲れてしまって、先にノアンに帰って、姉たちが来るのを待ちながら《ソナタ》第3番に取り組んでいた。

——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)140ページより

姉の訪問に安堵したショパンは、この年のうちに、大曲であるソナタ第3番を完成させました。

作品は「4つのマズルカ Op.24」を贈ったルイ・フィリップ・ぺルテュイ伯爵の妻で、ショパンのピアノの弟子エミーユ・ド・ペルテュイ伯爵夫人に献呈されています。

作品紹介

ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58

作曲年代:1844(ショパン34歳)

出版:1845年

献呈:Countess Emilie de Perthuis

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