記者会見でショパンコンクールの課題曲変更点が発表! 小林愛実も登場し思い出を語る
2023.03.01
チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
父が亡くなったショックや、健康状態の悪化を案じた最愛の姉ルドヴィカが、1844年7月ポーランドからフランスにやってきました。実に14年ぶりの再会です。
ショパンとサンドは、姉夫婦をパリとノアンで手厚くもてなします。
14年ぶりの姉弟の再会がどれほどのものだったかは想像以上で、姉と弟の話はつきなかった。ショパンは元気にふるまってパリを案内した。しかしやがて疲れてしまって、先にノアンに帰って、姉たちが来るのを待ちながら《ソナタ》第3番に取り組んでいた。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)140ページより
姉の訪問に安堵したショパンは、この年のうちに、大曲であるソナタ第3番を完成させました。
作品は「4つのマズルカ Op.24」を贈ったルイ・フィリップ・ぺルテュイ伯爵の妻で、ショパンのピアノの弟子エミーユ・ド・ペルテュイ伯爵夫人に献呈されています。
ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58
作曲年代:1844(ショパン34歳)
出版:1845年
献呈:Countess Emilie de Perthuis