2025.05.04
名曲解説100
30秒でわかるブラームス:交響曲第1番
ブラームス:交響曲第1番について30秒で丸わかり♪
ヨハネス・ブラームス(1833〜97)は、若い時期から最初の交響曲の構想を抱いていましたが、生来の自己批判的な性格に加えて、尊敬するベートーヴェンの交響曲ジャンルにおける偉業を強く意識していたことで、創作は難航します。多くの試行錯誤の末、やっと最初の構想から実に約20年も経て交響曲第1番は完成しました。
しかし、初演後にブラームスはまだ不満を感じ、第2楽章を大幅に改作して、決定稿が仕上げられています。まさに難産の末に生み出された交響曲処女作ですが、ベートーヴェンを継承するような暗→明の構図による古典的論理性を土台としつつ、その中に豊かなロマン的情緒を表現したこの作品には、ブラームスが長年追い求めた自らの交響曲様式が見事に開花しています。
緊迫した序奏に続いて闘争的な主部がドラマティックに展開する第1楽章に始まり、第2楽章は一転して叙情に満ちた緩やかな情緒に満たされます。間奏曲風の第3楽章を経て、第4楽章は不安な緊迫感の漂う序奏で始まり、霧を晴らすかのようなホルンの響きと荘重な金管のコラールの後、広がりのある明朗な主題とともに主部に入って晴れやかで力強い発展が繰り広げられていき、圧倒的な終結に至ります。
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 作品68
作曲年:1874~76年(構想は1850年代半ばから)
演奏時間:約45分
編成:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、弦5部
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