30秒でわかるラヴェル:《ラ・ヴァルス》
ラヴェル:《ラ・ヴァルス》について30秒で丸わかり♪
フランス近代の作曲家モーリス・ラヴェル(1875〜1937)は、意外なことにウィンナ・ワルツを好んでいました。後期の所産である《ラ・ヴァルス》はウィンナ・ワルツに触発された作品で、彼自身この曲について「ウィンナ・ワルツの楽章。渦巻く雲の切目からワルツを踊る人々が垣間見える。次第に雲が散り、多くの回る人々でいっぱいの大広間が見えてくる。場は次第に明るくなり、突然フォルティッシモでシャンデリアが光輝く。1855年頃の皇帝の宮廷」と説明しています。
曲はこの説明のとおり、冒頭の混沌とした響きの中からワルツが徐々に浮かび上がり、次第に大きな発展を見せ、輝かしい頂点へ至るという展開を示します。しかしここで表現されているのは、19世紀の古き良きウィンナ・ワルツではありません。あくまでフランス人としてのラヴェルによるウィンナ・ワルツの幻想であり、またそこに漂う世紀末的な官能性や不安感などは、第一次大戦を経験したばかりの時代を反映したものといえるでしょう。
曲は本来管弦楽作品として作曲されましたが、そのスケッチもしくはリハーサル用のピアノ独奏版が残されており、また彼自身の手による演奏会用の2台ピアノ版もよく演奏されています。
作曲年: 1919~20年
演奏時間: 約12分
編成:
(管弦楽版)フルート3(第3はピッコロ持替)、オーボエ2、コーラングレ1、クラリネット2、バス・クラリネット1、ファゴット2、コントラファゴット1、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ1、ティンパニ、大太鼓、小太鼓、タンブリン、トライアングル、シンバル、カスタネット、クロタル、タムタム、グロッケンシュピール、ハープ2、弦5部
(ピアノ独奏版)ピアノ
(2台ピアノ版)ピアノ2
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