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2025.11.12
名曲解説100

30秒でわかるヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集《四季》

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集《四季》について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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アントニオ・ヴィヴァルディ(1678~1741)は後期バロック時代のイタリアの作曲家です。彼は夥しい数のヴァイオリン協奏曲を残していますが、その中でもとりわけポピュラーなのが《四季》として知られる4つの協奏曲です。これは1725年出版の協奏曲集『和声と創意の試み』作品8に含まれているもので、バロック時代の独奏協奏曲のスタイルのうちに、四季それぞれの自然と生活を描いたソネット[14行詩]の内容を表現している点がユニークです。

第1番ホ長調「春」は春の訪れを描く第1楽章の後、羊飼のまどろみを描写する緩徐楽章を挟んで、田園舞曲で閉じられます。

第2番ト短調「夏」では夏のけだるさ、鳥の声、風の脅威を示す第1楽章、疲れた羊飼、嵐の予兆などを描く第2楽章の後、荒天を表現するフィナーレが続きます。

第3番ヘ長調「秋」は収穫を祝う村人たちを表す第1楽章、眠る酔払いの様子を描く緩徐楽章を経て、フィナーレでは狩の情景が活写されます。

第4番ヘ短調「冬」の第1楽章では凍てつく寒さとそのための足踏みや歯の震えが巧みに音化されます。炉端での団欒を彷彿とさせる中間楽章を挟んで、氷の上での滑走や南北の風の衝突を描くフィナーレが全曲を閉じます。

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集《四季》

作曲年:不明

演奏時間:約40分

編成:弦楽4部、通奏低音、独奏ヴァイオリン

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1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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