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マンガでたどるラフマニノフの生涯#12(最終回) ラフマニノフ、故郷ロシアへの感...

ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調《鐘》について30秒で丸わかり♪
ロシア生まれの作曲家セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943)は、自ら秀れた大ピアニストだったこともあって、ヴィルトゥオーゾ的な技巧性にロシア的な叙情性を結び付けたピアノ曲を数多く残しています。そうした彼の特質が如実に示されたピアノ曲の代表作に24曲の前奏曲があります。
ピアノのための前奏曲というと24の長短調すべてを用いた全24曲のショパンの《前奏曲集》が思い浮かびますが、ラフマニノフの24曲の前奏曲もやはり24すべての調に跨がって書かれています。しかし彼の場合、1つの曲集としてまとめられているわけではなく、複数の曲集に分けて書かれているのが特徴的です。
24曲の中で最も有名なのが、若き日の作で《鐘》の愛称で親しまれているこの嬰ハ短調の曲で、その厚みある重々しい響きはいかにも荘重なロシアの鐘の音を思わせ、中間部では感情の高まりもみせます。もともと《幻想的小品集》作品3の第2曲として書かれたもので(この《幻想的小品集》の他の曲は前奏曲ではありません)、この曲を出発点として残る23曲の前奏曲(《10の前奏曲》作品23と《13の前奏曲》作品32)が作られることになりました。
作曲年:1892年
演奏時間:約4分
編成:ピアノ







