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2025.11.25
名曲解説100

30秒でわかるクライスラー:愛の喜び

クライスラー:愛の喜びについて30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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ウィーン生まれの大ヴァイオリニストであったフリッツ・クライスラー(1875~1962)は自ら多くのヴァイオリンのための小品を作曲しています。その中でもとりわけよく演奏される曲のひとつがこの《愛の喜び》です。

3拍子によるワルツ風の華やかな曲で、その晴れやかな曲想はまさに愛の喜びを歌い上げるにふさわしいといえるでしょう。躍動的な主部に対して、中間部では叙情的な旋律がたっぷりと歌われます。当初19世紀のウィンナ・ワルツの作曲家ヨーゼフ・ランナーの作品として発表され、のちにクライスラーのオリジナル曲であることが明らかにされました。

なおこの曲はロシアの作曲家で大ピアニストだったラフマニノフによってピアノ独奏用に編曲され、多くのピアニストによって弾かれていますが、原曲にはないパッセージや装飾的な音の動きが付加されるとともに和声も込み入っているなどラフマニノフの個性が前面に出た編曲で、原曲とはかなり趣の異なるものとなっています。

クライスラー:愛の喜び

作曲年:不明

演奏時間:約3分30秒

編成:ヴァイオリン、ピアノ

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