【牛田智大 音の記憶を訪う】リーズこぼれ話~コンテスタントたちとの忘れがたい日々
2023.05.11
Love letter to dearest Mr. Menahem Pressler
メナヘム・プレスラー追悼 あなたの音楽はずっと心に残り、生きる喜びを与え続ける
音楽界の至宝と讃えられた伝説的ピアニスト、メナヘム・プレスラーが5月6日、99歳で亡くなりました。『メナヘム・プレスラーのピアノ・レッスン』の翻訳者であり、2017年の来日時にはONTOMOで「プレスラー追っかけ記」を連載された瀧川淳さんに、プレスラーへの最後のラブレターをお寄せいただきました。
瀧川淳 翻訳者・国立音楽大学准教授・音楽教育学者
『メナヘム・プレスラーのピアノ・レッスン』(ウィリアム・ブラウン著)訳者。 音楽教育学者。音楽授業やレッスンで教師が見せるワザの解明を研究のテーマにしている。東京芸術...
「私の演奏や響きが、演奏会の後もずっと残ってくれることを願っています」(2017年10月、プレスラー氏へのインタビューでの一言)
私にとって唯一無二の存在だった音楽界の至宝、ピアニスト・室内楽奏者・教育者のメナヘム・プレスラー氏が、2023年5月6日にロンドンで静かに亡くなられました。1923年12月16日、ドイツ・マグデブルクの生まれでしたから、もう少しで百寿でした。
近年、彼の誕生日には、ごく親しい数人の友人たちと、いつも彼の側に寄り添うアナベルさんに囲まれて静かな笑みを浮かべる幸せそうなプレスラーさんの写真が公開されていましたが、新たな写真が重ねられることはもうないのだと思うと、本当に寂しい思いでいっぱいです。
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メナヘム・プレスラー:1923年ドイツ生まれ、1939年ナチスから逃れて家族と共に移住したイスラエルで音楽教育を受ける。1946年ドビュッシー国際コンクールで優勝し、本格的なキャリアをスタート。続いて名匠ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団でアメリカ・デビュー。1955年、ダニエル・ギレ、バーナード・グリーンハウスと共にボザール・トリオを結成。長く広く賞賛を浴びた世界屈指の室内アンサンブルであり、ピアノ三重奏曲の人気を大きく高めた。世界各地で年間100以上のコンサートをこなし、50を超えるレコーディングでピアノ室内楽の曲目をほぼ網羅。プレスラーは30以上のソロ・アルバムをリリースし、ヴァン・クライバーン、エリザベート王妃といった国際的なコンクールの審査員も務めた。
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