記者会見でショパンコンクールの課題曲変更点が発表! 小林愛実も登場し思い出を語る
2020.12.10
メシアン「トゥランガリーラ交響曲」~発音要注意! サンスクリットの直訳は“馬の遊...
音楽ジャーナリスト。都内在住。著書に『はじめてのクラシック マンガで教養』[監修・執筆](朝日新聞出版)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『R40のクラシッ...
ショパンの練習曲作品10-3。それがこの曲の本来の名前だ。作品10-3。なんと味気ない呼び方なのか。ショパン本人が付けた題ではないが、やはりこの曲は《別れの曲》と呼びたくなる。そもそも愛称とは他人が付けるものだ。
曲名の由来は、ショパンを描いた1930年代のドイツ映画『別れの曲』でこの曲が使われたからことに由来するという。なんと、映画から付いた愛称なのだ。しかもこれは邦題限定。海外のCDなどでは、だいたい Tristesse(悲しみ)と呼ばれるか、あるいは単に練習曲作品10-3と表記されている。
しかし、そんな大昔の映画の影響がいまだに強く残っているのは不思議ではないだろうか。おそらく、映画『別れの曲』の影響もさることながら、その後、日本の映画やテレビ番組がくりかえしこの曲を別れの場面に使ってきた影響が大きいのでは。大林宣彦監督の映画「さびしんぼう」から、アニメ『鋼の錬金術師』最終話『ミュンヘン1921』まで。これからもこの曲は別れの場面で使われ続けることだろう。
ショパン/練習曲作品10-3(マウリツィオ・ポリーニ)