読みもの
2020.03.19
「音大ガイド」4.音大生の卒業後・就職

(4)音大生の留学、海外の学校での音楽の学び

クラシック音楽を志す人間であれば、本場のヨーロッパで勉強してみたいと考えることは自然なことです。ここでは、留学に関するさまざまな実情について触れてみたいと思います。

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『音楽大学・学校案内』編集グループ 音楽之友社

執筆:堀内亮(音楽大学講師)、荒木淑子(音楽ライター)、青野泰史・夢川愛唯奈(編集グループ)。音楽之友社および『音楽大学・学校案内』編集グループは、1958年に年度刊...

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どのような人が留学するのか

音大や大学院を終えてなお演奏を究めたい、また国際コンクールにも挑戦したいという意欲のある人は、国内に留まらず留学する場合も多いようです。卒業が近くなると大学の先生が留学を勧めることもあります。そのような場合には将来を大きく期待されていると考えてよいでしょう。ともあれ、留学に際しては行き先、師事する先生などについて大学の先生とよく相談することが大切です。

どのような年齢で留学するのか

若いうちは語学を習得しやすく、また新しい環境に溶け込む適応力もあります。大学の先生の許可があれば、在学中にも海外の夏期講習などに参加して、向こうの雰囲気を肌で感じるとよいでしょう。講習会で良い先生に巡り合い、好印象を与えられれば、音大の卒業後に師事できる可能性も高くなります。基本的には音大卒業後、もしくは大学院修了後でいいのですが、パリ国立高等音楽院(CNSMDP)のように21歳までに入学しないといけない学校もあるので、そのようなケースでは日本の音大を中退して留学することになります。

留学することのメリット

ヨーロッパの街や建物には宗教観や古い歴史が感じられ、そのなかでゆっくり育まれていったクラシック音楽が自然に溶け込んでいます。感情表現も豊かで、人の話す言葉は歌のように生き生きとしていて、音楽的な息遣いが常に身近に感じられるでしょう。

また、環境を変えることによって音楽的に一回り大きくなる可能性もあります。世界的な演奏家や教授が教えていることも多く、超一流の音楽家の言葉を聴き、モチベーション高く研鑽を積むことができます。海外の国際コンクールは日本のコンクールよりも個性を重視する傾向にあるため、そちらのほうが性格に合っているタイプのプレイヤーもいるようです。

音楽院・音楽大学を卒業することによってディプロマ(卒業証明書)を得られ、オーケストラへの入団やソリストとしての活動、あるいは日本を含む音楽教育機関で指導者となる際に有利に働くことがあります。

留学先はドイツ、フランス、イタリアなどさまざま

留学する先は最も一般的なところで、古典派とロマン派の基礎を築いたドイツ、またドビュッシーらの出現によって近現代に最も大きな役割を果たしたフランス、オペラの発達したイタリア、チャイコフスキーやロシア五人組をきっかけに台頭したロシアなどが挙げられます。いずれも個性豊かな国で、自分がとくに勉強したいと思う分野や、良いと思った先生がいる場所に勉強に行くとよいでしょう。

学校には日本同様に国公立と私立があり、国公立はドイツではHochschule für Musik、フランスではConservatoire、イタリアではConservatorioとそれぞれ名前が違います。いずれも卒業すればディプロマ(卒業証明書)が与えられます。コースによっては音楽史、ソルフェージュなどのクラス授業があり、留学生も同様に受講しなくてはいけません。ただし、音大の成績証明書や卒論などを提出することによっていくつかの授業を免除になる場合もありますので、個々に確認が必要です。

私立も日本同様に多くの種類があり、パリのエコール・ノルマルやイタリアのイモラ・ピアノアカデミーなどが有名です。私立なので学費は高くなりますが、このような高等教育機関には国公立音大同様に世界各国から著名な教授を招いているので、高いレベルの教育を受けられます

留学するまでに必要な勉強や手続き

近年、特に海外の国公立の学校では語学の条件が厳しくなっているようです。音大在学中からあらかじめ日本で語学学校に通うことはもちろん、入試よりもできれば半年ほど早めに現地に行き、プライベートで実技のレッスンを受けるなどしながらネイティブの言葉に慣れることが理想的でしょう。そのためには、前述したようにあらかじめ夏期講習会などで実技の先生に連絡先を聞いておくこと、また近くに滞在されている日本人の方を探すことなども必要です。留学を考えているのであれば、できるだけ早期にそのような情報を集め始めましょう。

実技についても高度なレベルが求められますが、学校によっても難易度がかなり違うので、それについても実技の先生と相談することが最も確実です。また、成績が優秀でも先生のクラスの空きがなければ希望する先生に師事できない可能性があるので、そのことも事前に確認しましょう。

必要な手続きも、前もって日本国内で窓口を通さなければいけない場合、現地で直接申し込みができる場合など千差万別です。両親の収入証明や大学の卒業証明書、成績証明書などが翻訳付きで必要とされることが多いので、そのことも考慮にいれておきましょう。

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執筆:堀内亮(音楽大学講師)、荒木淑子(音楽ライター)、青野泰史・夢川愛唯奈(編集グループ)。音楽之友社および『音楽大学・学校案内』編集グループは、1958年に年度刊...

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