読みもの
2022.07.25
音大入試の「楽典」解き方のコツ

音大入試の楽典、「音程」問題の解き方のコツは?――上下逆さまの罠に注意!

音大(音高)入試の楽典に悩む人は多いと思います。テキストを読んだけれど問題は解けない。解くスピードが遅い。どうすれば良いかわからない。そこで今回、2022年7月27日刊行の『音大入試の「楽典」解き方のコツ&過去問トレーニング』から、論点別に解き方のコツをお伝えします。出題パターンに仕掛けられた罠をスマートにスピーディーに攻略しましょう!

*記事は内容の更新を行っている場合もありますが、基本的には上記日付時点での情報となりますのでご注意ください。

菅原真理子
菅原真理子

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修士課程作曲専攻修了。昭和音楽大学附属音楽教室講師。元昭和音楽大学および同短期大学部非常勤講師。音楽之友社刊『音楽大学・高校 ...

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問題

次の音程を答えなさい(ただし、複音程は単音程に直して答えなさい)。

音程の問題ですね。突然ですが、ここで質問です。

 

まず、どこを見る?

さて、この楽譜、あなたは最初にどこを見ましたか? 音符? そう、たぶん多くの人の目が音符に吸い寄せられたのではないでしょうか?

でも、音符を見る前に音符の左にある音部記号を見なければ、実は音の高さは決められないですよね。

この楽譜の場合、下の段は低音部記号、上の段は高音部記号になっていることを確認してはじめて、下の段は「レ」・上の段は「ファ」になっていることがわかります。上の段は加線を数え違わないように注意しましょう。

次は、どこを見る?

では、次に見るのはどこでしょう? そう、調号です。調号が付いていない場合は、「調号付いてないよね」ということを確認しておきましょう。

この楽譜では♯1個の調号が付いているので、上の段の音「ファ」には♯が付くことがわかります。下の段の音には調号は関係しませんが、臨時記号の♭が付いています。日本語にすると、上の段の音は「嬰ヘ」・下の段の音は「変ニ」になっているわけです。

さあ、音名がわかったので、いよいよ音程を解答する番です。下の段の音は「レ♭」・上の段の音は「ファ♯」。で、音程は?

「レからファまで、♯も♭も付いてないときは短3度でしょ、レに♭が付いて広くなって長3度になり、ファに♯が付いてもっと広くなるから、増3度だよね」と考えたあなた、まんまと罠に引っかかっています!

どちらの音が上で鳴っている?

気を取り直して、もう一度もとの楽譜をよく見てみましょう。

たしかに、下の段は「レ♭」・上の段は「ファ♯」です。でも、実際に上で鳴っているのはどちらの音でしょうか? 段が別々なのでわかりにくいですよね……。

こんなときには、2つの音が同じ段の音になるように移し替えてみましょう。

音を移し替えるときは、自分にとって読みやすい段のほうに移すと楽です。こうして見ると実は、下の段の音のほうが上の段の音より上で鳴っていることがわかります。

ということは、下で鳴っている音は「ファ♯」・上で鳴っている音は「レ♭」です。ファからレまで、♯も♭もついていなければ長6度。ファに♯が付いているので狭くなって短6度になり、レに♭がついてさらに狭くなっているので……

正解は 減6度 です。

こうした、音の上下関係読み違いは、音程の問題を解くときに起こしやすいミスの1つです。音程の問題を解く過程は、音階や和音の問題を解くうえで欠かすことができません。その一方で、こういったケアレスミスの宝庫でもあります。くわしくは、『音大入試の「楽典」解き方のコツ&過去問トレーニング』の第2章「音程」に載っています。腕を磨いてミスをどんどんなくしてくださいね。

受験生待望の新刊!

『音大入試の「楽典」解き方のコツ&過去問トレーニング』

 

本書は、楽典の基本知識をインプットした人が入試問題を効率的に解けるようになるために、出題パターン別に解き方のトレーニングを行う、これまでになかった画期的な一冊です。

 

 

菅原真理子(監修・著)、井上ゆり子、堀優香、辻田絢菜(著)

2022年7月27日発売、B5判、176ページ、税込1870円



本書は、25年にわたり『音楽大学・高校 入試問題集』楽典問題の解答・解説執筆の中心人物であり、音大附属音楽教室で多くの受験生の指導も長年行うことで、音大の入試問題に精通している「受験生の味方」菅原真理子氏監修によるものです。

 

これまで楽典の入試対策書籍は、基礎知識の本と問題集は刊行されていたものの、これを繋ぐ入試対策のための「アウトプット・トレーニング」が効率的にできる書籍が見当たりませんでした。

 

本書はそこを解消すべく、菅原氏はじめ執筆陣の総力による知識体系と指導経験をベースにして、解き方や間違えやすいポイントを「まるで隣りで教えているように」わかりやすく解説しています。

 

特長は、近年の出題傾向に対応・実際に出題された近年の問題を使用、難問・奇問・レア問を排しオーソドックスな出題のすべてに対応、スムーズに学習が進む出題パターン別のアウトプット練習、「あるあるミス」「解き方のポイント」など工夫を凝らしたレイアウトなどです。

『音大入試の「楽典」解き方のコツ&過去問トレーニング』

菅原真理子
菅原真理子

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修士課程作曲専攻修了。昭和音楽大学附属音楽教室講師。元昭和音楽大学および同短期大学部非常勤講師。音楽之友社刊『音楽大学・高校 ...

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