33歳の若きシェフ川瀬賢太郎が率いる、フレッシュな神奈川フィルハーモニー管弦楽団

Q. あなたのオーケストラはいま何色ですか？

白。

Q. その色を選んだ理由を教えてください。

僕が神奈川フィルと仕事していて面白いのは、どんな色にも染めることができる、っていう喜びなんですよね。だから、本当にポジティブな意味での白です。
神奈川フィルは、何色にでも染まることができる、1回1回が本当にナチュラルにスタートすることができるのが楽しいところ。そういう理由で白を選びました。

奥田佳道（音楽評論家）

ステージを観る！
これもコンサートの醍醐味だ。憧れのプレイヤーが演奏中に交わすアイコンタクト。プレイヤーの表情や仕草からも音楽が聴こえてくる。ホールを美しい調べが満たす。
常任指揮者、川瀬賢太郎のタクトに導かれ、神奈川フィルの音楽が、いまとてもいい。ツイッターを飛び交うファンの感想も熱い。お目当てのプレイヤーも多い感じ。
ソロやアンサンブルでも活躍中の首席ソロ・コンサートマスター石田泰尚、コンサートマスター﨑谷直人ら、トップ奏者のプレゼンスに喝采を。管弦打楽器の才媛、俊英、頼もしい中堅、ヴェテランが織り成す楽の音を楽しみたいものである。3月6・7日にはコンサートマスター﨑谷や首席奏者たちを交えたバッハ、それに川瀬がタクトを執るストラヴィンスキーの「兵士の物語」も響く。横浜みなとみらいホール・小ホールで時空を超えた名曲に抱かれたいものである。

山田治生（音楽評論家）
「定期演奏会みなとみらいシリーズ第348回」

まず“神奈川フィルの顔”である首席ソロ・コンサートマスター石田泰尚が独奏を務めるブロッホのヴァイオリン協奏曲に注目！　よく演奏されるブルッフではなく、ブロッホである。バーバーやバルトークの第2番と同時代のロマンティックなヴァイオリン協奏曲。
メインのシェイクスピアの戯曲を原作とする《夏の夜の夢》もオススメ。川瀬賢太郎が得意とするメンデルスゾーン。今回はナレーション付きの上演なので、ギリシャの森での夏至の夜の騒動を描く作品が一層楽しめるだろう。最近好調の神奈川フィルのアンサンブルにも期待。

Q. 社会貢献やアウトリーチ活動にはどのようなものがありますか？

1.  地元のサッカーや野球と演奏コラボ！
地元横浜のプロ球団（横浜F.マリノス、DeNAベイスターズ）の試合前に、金管打楽器のメンバーによるファンファーレ演奏を行ない、チーム・オリジナルの楽曲を編曲して演奏したり、国歌を演奏したりしてコラボレーションを行なっています。

2. ショッピングモールでフルオーケストラ!?
横浜ランドマークタワーの1階サカタのタネガーデンスクエアで年2回程度、フルオーケストラによる無料の演奏会を実施。メンデルスゾーンの結婚行進曲やワーグナーなど親しみやすい楽曲を買い物客などに向けて演奏することで、多くのファン層を取り込むことに成功しています。

3. 小学生に本物の音楽体験を！
全国各地や神奈川県内で小学校を中心とした体験事業を年間数十回開催しています。
事前ワークショップで練習をしたあと、フルオーケストラでの演奏で、一緒にリコーダーなどで共演したり、児童が作詞作曲したオリジナルの合唱曲をオーケストラ伴奏で歌ったりします。鑑賞だけではなく、より深い体験で音楽とのつながりを強固なものにします。

Q. はじめて神奈フィルの公演を聴くとしたら、どれがオススメ？

県民ホール名曲シリーズです。初めての方でも特にクラシックの名曲を厳選し、どなたでもわかりやすく聴けるシリーズです。