イタリアの若き俊才、バッティストーニが最上の美を目指す、東京フィルハーモニー交響楽団
「没個性」と批判にさらされがちな日本のオーケストラ。2016年に東京フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に就任したアンドレア・バッティストーニは、技術面の指摘以上に、その音楽からニュアンスやストーリーを引き出そうと努める。
日本人の楽団員と双方向のコミュニケーションをとりながら、「DNAに訴えてくる」という母国イタリアのオペラの解釈を東京フィルに浸透させている、バッティストーニの手腕に注目!
シェフにきく「あなたのオーケストラは何色?」~首席指揮者 アンドレア・バッティストーニ
Q. あなたのオーケストラはいま何色ですか?
水色。
Q. その色を選んだ理由を教えてください。
東京フィルの音は、甘美でありながら、同時に輝いています。メタリックな輝きではなく、温かくて明るい音なのです。
音楽家の中には、音楽を聴くと色が見えるという方も多くいますが、私はあまり色を感じません。2018年に数多く指揮をしたヴェルディの歌劇《アイーダ》に出てくる名アリア「チェレステ・アイーダ(邦題:清きアイーダ)」の「チェレステ」は水色という意味だから、ちょうど合っていますね。
ナビゲーターからの推薦状「東京フィルの魅力」
林田直樹(音楽ジャーナリスト)
新国立劇場を中心にオペラやバレエの公演回数が多く、歌や舞台と結びついたドラマのセンスを知り尽くしていることにおいて、東京フィルは最高に熟練されたオーケストラであり、それがシンフォニーの演奏にも生かされている。毎年2万人の子どもたちと交流する「こども音・楽・館」など教育活動にも積極的。1911年創立と日本最古の歴史をもち、世界のカリスマ、チョン・ミョンフンとの20年近くにわたる歩みは宝である。
ナビゲーターからの推薦状「はじめの一歩にオススメの公演」
池田卓夫(音楽ジャーナリスト@いけたく本舗)
「定期演奏会(4月) アンドレア・バッティストーニ(首席指揮者)」
「首都東京のオーケストラにとって2019年の天皇即位と新しい年号への切り替え、20年のオリンピックにかけてのシーズンは特別な意味をもつ」。バッティストーニは日本人以上に「世紀のイベント」に期待をこめ、4月の19年シーズン開幕定期には正々堂々、「即位」「戴冠」にちなむ作品を選んだ。ウォルトンは1937年英国のジョージ6世、モーツァルトは1790年神聖ローマ皇帝レオポルト2世のそれぞれ戴冠式で演奏された。後半はバッティストーニが傾倒するチャイコフスキーの交響曲から、壮大なファンファーレで始まる第4番を選んだ。オーケストラの華やかさに酔う好機になるだろう。
日時・会場 2019年4月16日(東京オペラシティ/第125回)、18日(サントリーホール/第920回)、21日(オーチャードホール/第921回)
曲目
ウォルトン:戴冠式行進曲《王冠》
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番《戴冠式》(ピアノ=小山実稚恵)
チャイコフスキー:交響曲第4番
料金
SS席15,000円/S席10,000円/A席8,500円/B席7,000円/C席5,500円
※東京フィルフレンズ料金10%OFF価格(SS席と学生席を除く)
東京フィルにきく! ファンと出会える場は?
Q. 社会貢献やアウトリーチなどの活動には、どのようなものがありますか?
1. 自主公演ではロビースタッフのボランティアを募集!
会場づくりなどにご協力いただき、残席がある場合には公演もお聴きいただいています。オーケストラに興味を持っている方に、少しでもより身近に感じていただけるよう、機会を設けています。
2. 多様なジャンルのコンサートに出演!
「東急ジルベスターコンサート」など、全国的に人気のあるテレビ番組などでの演奏や、会場参加型のニューイヤーコンサートなどを継続的に行なっているほか、クラシックに限らず映画やゲーム、アニメ音楽、ポップスや歌謡曲との共演も積極的に行ない、間口を広げています。
3. 会員には特典あり!
年齢を問わず、学生ならどなたでも購入できる学生定期会員券、当日学生券(1000円)を設定。留学生への告知も積極的に行ない、若い方にオーケストラを聴く機会をもっていただける取り組みを行なっています。また、世代を問わず定期会員/賛助会員(個人寄付会員は年間1万円~)様を対象にした独自のイベントも企画しています。
Q. はじめて東京フィルの公演を聴くとしたら、どれがオススメ?
定期演奏会は、Bunkamuraオーチャードホール(日曜午後)、東京オペラシティ(平日夜)、サントリーホール(平日夜)の3シリーズで、お客様の好みと利便性に合わせてお選びいただける3つのラインナップ。多くの人に世代と時代を超えて愛される名曲を、東京フィルが誇る世界的に活躍するマエストロたちのもと、実力あるソリストを迎えてお届けしており、初めての方にもお楽しみいただけること間違いなしです。
また、指揮者のお話と聴きなじみのある名曲でお届けする大人気の「午後のコンサート」シリーズもおすすめです。休日シリーズ/平日シリーズのラインナップに加えて、2019シーズンよりBunkamuraオーチャードホールでの「渋谷シリーズ」も開始。皆さまの働き方や生活スタイルに応じてチョイスいただけるプログラムをご用意しております。
※東京フィルでは2020年より「1月~12月」を1シーズンとして定期演奏会をご案内いたします。これにともない、2019シーズンは4月~12月までの5公演を1シーズンとしてご案内いたします。
※「午後のコンサート」は、2019年5月~2020年3月までの各シリーズ4回セット券でご案内いたします。
日時・会場 7月18日(木)19:00開演 サントリーホール/7月19日(金)19:00開演 東京オペラシティ
出演
指揮:チョン・ミョンフン(名誉音楽監督)
ヴァイオリン:クリステル・リー(2015年第11回シベリウス国際ヴァイオリンコンクール優勝)
曲目
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》
料金
SS席15,000円/S席10,000円/A席8,500円/B席7,000円/C席5,500円
※東京フィルフレンズ料金10%OFF価格(SS席と学生席を除く)
1911年創立の、日本で最も長い歴史をもつオーケストラ。メンバー約130名、シンフォニーオーケストラと劇場オーケストラの両機能を併せもつ。名誉音楽監督にチョン・ミョンフン、首席指揮者にアンドレア・バッティストーニ、特別客演指揮者にミハイル・プレトニョフを擁する。
Bunkamuraオーチャードホール、東京オペラシティ コンサートホール、サントリーホールでの定期演奏会や「平日の午後のコンサート」「休日の午後のコンサート」「渋谷の午後のコンサート」等の自主公演、新国立劇場等でのオペラ・バレエ演奏、NHK『名曲アルバム』『NHKニューイヤーオペラコンサート』『題名のない音楽会』『東急ジルベスターコンサート』などの放送演奏により全国の音楽ファンに親しまれる存在として、高水準の演奏活動とさまざまな教育的活動を展開している。海外公演も積極的に行い、国内外の注目を集めている。
1989年からBunkamuraオーチャードホールとフランチャイズ契約を結んでいる。また東京都文京区、千葉県千葉市、長野県軽井沢町、新潟県長岡市と事業提携を結び、各地域との教育的、創造的な文化交流を行っている。
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