
チェロ奏者・宮田大ら若き奏者が弦楽四重奏で築いた絆


東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
チェリストの宮田大をはじめとする4人の若き音楽家の姿を描いたドキュメンタリー映画『カルテットという名の青春』が、2026年2月6日から期間限定で劇場公開されます。
本作は、2011年にBS朝日で放送され、第49回ギャラクシー賞はじめ数々の賞を受賞したドキュメンタリー番組の劇場版。
弦楽四重奏団「ジュピター・カルテット・ジャパン」として出会った、ファースト・ヴァイオリンの植村太郎、セカンド・ヴァイオリンの佐橘マドカ、ヴィオラの原麻理子、チェロの宮田大。4人の才能にあふれた若き演奏家を、浅野直広監督が約4年にわたってカメラで追いました。ナレーションは原田知世が務め、情熱を燃やし弦を鳴らす4人の等身大の姿が収められています。
4人は困難を乗り越え、ひたすら努力を重ね、「日本若手最高のカルテット」と呼ばれる高い評価を得るまでに成長していきます。共に練習し、音に向き合う日々はまさに青春そのもの。

大舞台への挑戦と挫折 ―― 世界をめざして
4人はカルテットの最難関「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」に挑戦します。しかし、その結果は一次審査での敗退。この経験は、彼らがこれまで感じたことのない挫折となり、「世界に通用する音」を追い求める原点ともなりました。この挫折から再起を図る彼らの姿を、悩み、迷い、そして前に進もうとする日々。
過酷なリハーサル、深夜まで続く議論、仲間同士の支え合いが、スクリーンを通して伝わってきます。こうしたリアルな瞬間こそが、この映画が深く訴えかける見どころとなっています。

4人の現在 ―― 演奏家としての歩み
その後、4人はそれぞれの道を歩んでいきます。とりわけチェロの宮田大の活躍はめざましく、2009年にロストロポーヴィチ国際チェロコンクールで、日本人として初めて優勝をはたしました。スイスのジュネーヴ音楽院やドイツのクロンベルク・アカデミーで研鑽を積み、故・小澤征爾氏からも高い評価を受けています。また、BBCスコティッシュ交響楽団との共演による『エルガー:チェロ協奏曲』の録音が、ヨーロッパの権威ある音楽賞「OPUS KLASSIK」を受賞するなど、チェロ界を代表する存在へと成長していくのです。

本作では、4人がそれぞれ歩んできた演奏家としての道のりと、再会コンサートや続編制作へとつながる現在をつなぎ合わせ、青春という時間の尊さを映し出しています。
2026年2月6日(金)~19日(木)映画館 Stranger(東京)にて期間限定公開
ほか全国順次公開
【関連の公演・放送】
ジュピター・カルテット・ジャパン 再会コンサート(特別共演・今井信子)
東京・春・音楽祭2026
2026年4月18日(土) 東京文化会館小ホール
大原れいこメモリアル 特別ギャラリーコンサート
2026年4月19日(日) 大原美術館(倉敷)
続編ドキュメンタリー番組
『カルテットという名の青春が過ぎても(仮)』
2026年放送予定(BS朝日)
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