ポロネーズ:フランス語で「ポーランドの」を意味し、16世紀から踊られていた!
1993年生まれ、東京都出身。2022年、第1回ひろしま国際指揮者コンクール(旧:次世代指揮者コンクール)優勝。パリ地方音楽院ピアノ科、ミュンヘン国立音楽演劇大学古楽...
なんといっても、ショパンの曲が有名なポロネーズ! ポロネーズは、フランス語でポーランドの(踊り)という意味です。イタリア語のpolaccaもポロネーズと同じ意味で用いられています。
ポーランド語でもポロネーズと呼ばれ、polonezと書くのですが、実はフランス語から逆輸入された借用語なのです! さらにポーランドでは、ポロネーズといえば音楽のポロネーズよりもFSO Polonezという、ヴィンテージ車を想像する人も多いそう……。
さて、音楽のポロネーズの話に戻りましょう。ポロネーズの歴史は大変古く、1574年にアンリ3世がポーランド王に即位した際、ポロネーズが演奏されたという記録が残っています。
フェンシングと芸術が大好きだった、フランスとポーランドの王様。イケメンですね......!
土着的な踊りというよりは、貴族のための踊り、もしくは行進に使われた曲のようで、ポーランドの曲なのにフランス語が付けられたのも、そこに起因します(詳しくは「ベートーヴェンとフランス語」を参照)。
もともとポロネーズはゆったりとした荘厳な曲調が特徴で、バッハの管弦楽組曲第2番のポロネーズに、その片鱗を垣間見ることができます。さらにバッハは、1736 年にポーランド王の作曲家となったことで、その5年後に書かれた《ゴルトベルク変奏曲》の最初の変奏も、ポロネーズで書いています!
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWW988〜第1変奏
19世紀に入ってもなお、ポロネーズは人気の踊りでしたが、ショパンはそのポロネーズをピアノの芸術作品として昇華させました。
こうしてポロネーズは多くの作曲家によって書かれ、その名の通り、ポーランドのシンボルとして現在でも演奏されている曲なのです。
ポロネーズを聴いてみよう
1. バッハ:管弦楽組曲第2番 BWV1067〜第6曲 ポロネーズ
2. ベートーヴェン:ポロネーズ 作品89
3. ウェーバー:歌劇《魔弾の射手》作品77〜第2幕より「イケた若者がやってくる」
4. ショパン:ポロネーズ第6番《英雄》 変イ長調 作品53
5. ショパン:ポロネーズ第7番《幻想ポロネーズ》 変イ長調 作品61
6. タンスマン:ポーランド風組曲〜第6曲「ポロネーズのテンポで」
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