タワレコ・バイヤー推し! の3枚

ロシア・フランス・スペインのピアノ音楽 名盤3選!

読みもの
2018.06.01

タワーレコードのクラシック担当バイヤーが、本Webマガジンの6月の特集「ロシア」をテーマに合った1枚をピックアップ! さらに、月刊誌「レコード芸術」6月号の特選盤に選んだCDの中から、さらに優れた2枚を推してもらった。

推した人
板谷祐輝 タワーレコード オンライン事業戦略部
板谷祐輝
推した人
板谷祐輝 タワーレコード オンライン事業戦略部
2011年タワーレコード入社。オンラインショップのマーケティング・事業戦略を担当。好きな音楽はクラシック、現代音楽、アンビエント、欅坂46。趣味は作曲、ピアノ、クラリ...
中川浩淳 タワーレコード 商品本部クラシック担当
中川浩淳
中川浩淳 タワーレコード 商品本部クラシック担当
2018年5月で入社して丸22年。J.S.バッハやブラームス好きで、最近はピアノ音楽にはまっていて古典派から近現代まで幅広く聴いています。2018年のドビュッシーのメ...
板倉重雄 タワーレコード商品本部洋楽部
板倉重雄
板倉重雄 タワーレコード商品本部洋楽部
レコード「板」の「倉」を守る「重」たい「雄」です。「レコード芸術」購読歴は40年、レコード業界歴は24年。現在タワーレコード株式会社、商品本部洋楽部勤務。SPレコード...

ロシアの女流作曲家 渾身のピアノ・ソナタ全集 ~特集「ロシア」タワーレコード編

■G.Ustvolskaya: Piano Sonatas No.1-No.6

2012年にLFJ「サクル・リュス」が組まれるほど、ロシアという国がクラシック音楽にもたらした影響は計り知れない…… といっても諸兄らには釈迦に説法だろう。チャイコフスキーに始まりラフマニノフ、ストラヴィンスキーなど熱心なファンは数多くいると思う。

そんなロシアだが実は女流作曲家が豊富なのも特徴。「音楽に女も男も関係ない!」という想いもなくはないが、それでも女流作曲家という括りに惹かれてしまうのもクラシック音楽愛好家の悲しい性である。
グバイドゥーリナやエックハルト=グラマッテなど馴染みな作曲家もいるかもしれないが、中でも僕が好きなのはガリーナ・ウストヴォーリスカヤ。
ウストヴォーリスカヤはショスタコーヴィチに師事し、蜜月ぶりが話題になるほど関係が深かったわけだが、作曲思想に関してはその影響をほとんど受けなかったという。(音楽面に関しても「他人と作品のつながりは一切ない」と自身で言い切るという、なかなかに刺激的な女傑だ!)

さて、そんなウストヴォーリスカヤの代表作がこの全6曲のピアノソナタなのだ。いわゆるゲンダイオンガク的志向の強い作風だが繊細さと暴力性、さらに隠れた諧謔性とが共存するところを見ると、間違いなくこの時代のロシアの音楽だと感じてしまう。いっそ同じピアノソナタでも、スクリャービンやメトネルらから甘みを完全に抜き切ったスパイシーな音楽かもしれない。女流作曲家ファン、ピアノソナタ至上主義の僕にはこの上ない至宝である。 

           (タワーレコード オンライン事業戦略部 板谷祐輝)

G.Ustvolskaya: Piano Sonatas No.1-No.6

ピアノ:マリアン・シュレーダー
HATART179

スペインの「風景」を美しく描くモンポウのピアノ作品集 ~「レコード芸術」2018年6月号「新譜月評」特選盤より

■モンポウ : ピアノ作品集

20世紀スペイン、バルセロナ出身の作曲家で、ドビュッシーやサティに大きな影響を受け、多くのピアノ曲を作曲したフェデリコ・モンポウ(1893~1987)。本作は、幼いころラジオで聴いてモンポウに魅了されたというマドリード生まれのピアニスト、ルイス・フェルナンド・ペレスによるモンポウ作品集の第1弾だ。
カタルーニャ地方の民謡などを基にした「歌と踊り」や子供の無邪気な様を表現した「子供の情景」、第二次大戦中パリから故郷バルセロナに戻り、その美しい風景を描いた「風景」といった代表作を収録している。
作品には小節線のないものも多く、その自由な発想と静謐で繊細、シンプルで美しいメロディの数々は、まさにピアノ好きな方にオススメ。モンポウ作品にはまだまだ素敵な作品が多いだけに、今後のリリースも非常に楽しみなシリーズとなることでしょう。
                 (商品本部クラシック担当 中川浩淳)

モンポウ : ピアノ作品集

ピアノ:ルイス・フェルナンド・ぺレス
KKC5859

ベヒシュタインのピアノで聴くドビュッシーの象徴主義 ~「レコード芸術」2018年6月号「新譜月評」特選盤より

■ドビュッシーの夢

冒頭に収録された『セバスチャンの殉教』ピアノ版1曲目、アルカイックな雰囲気をたたえた「百合の庭」から、たちまち惹きこまれてしまう。
青柳いづみこのドビュッシー没後100年記念アルバムは、選曲、使用ピアノ、演奏、いずれれもこだわりや強い主張があり、同時にたいへん魅力的なものとなった。選曲では、美しい作品にもかかわらず録音の少なかった『殉教』とコダーイの『ドビュッシーの主題による瞑想曲』が注目される。
使用ピアノは、彼女が試弾して選んだ1925年製E型ベヒシュタイン。強いアクセントや早いパッセージでは敏感に反応し、弱音や緩やかな場面では非常に味わい深い音色を発している。例えば『前奏曲集』で、最も緩急が激しく、音色が目まぐるしく変化する「アナカプリの丘」を聴けば、このピアノの驚くほど幅広い表現力を理解できるだろう。彼女は、このピアノを駆使して、ドビュッシーを多彩な表情で明確に演奏。「象徴派」の音楽として描き出している。
                (タワーレコード商品本部 板倉 重雄) 

ドビュッシーの夢

ピアノ:青柳いずみこ
ALCD-7221

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