歌を作る方法とは~メロディ・コード・歌詞を考えて大切な人のための歌を作ろう
作詞作曲に憧れる! でも音楽の心得がないから......と諦めるその前に、「宇宙一やさしい作詞作曲ガイド」をお手にどうぞ。
星や宇宙をテーマに音楽を作るミマスさん(アクアマリン)による『歌を作ろう! 宇宙でいちばんやさしい作詞作曲ガイドブック』より、ONTOMO出張版をお届けします! 言葉には上手くできない想いを、歌に託してみませんか。きっと新しい世界が開けますよ。
Sachikoの澄みわたるボーカルと、ミマスの詞と曲を基盤とする音楽ユニット「アクアマリン」( http://aqumari.com/ )のメンバー。1998年6月結...
歌作りの実例1~クラスやチームの歌を作ってみよう~
「メロディ」と「コード(和音)」と「歌詞」。歌作りに必要な3つの要素について、できるだけわかりやすく解説してきました。歌はどうやって作ったらいいのか――。少しでもあなたのヒントになってくれたら嬉しいです。
それではいよいよ、今度はあなたに歌作りに挑戦してもらう番です。ここまでの内容を思い出しながら、ぜひ実際に歌を作ってみてください。自由に作っていただいて構いませんが、ここでは具体的にいくつかのシーンを想定して、状況に応じた歌作りをシミュレーションしてみることにしましょう。
まず最初に、学校のクラスの歌、クラブ活動やスポーツチームや同好会の歌などを作る場合を考えてみます。歌はみんなの心を一つにしてくれます。自分たちで作った歌ならなおさら愛着も湧くでしょう。毎日みんなで歌いたくなってしまうかもしれませんね。
曲については、こうした場合やはり明るく元気な曲調が似合うでしょう。一例として、メジャーコードを中心とした、次のようなコード進行を示します。テンポ120くらいで元気に弾いてみましょう。
Aメロ 「C→G→F→C→F→C→G→C」※2回くり返してもよいです。
Bメロ(サビ)「F→C→G→C→F→C→G→C」
いわゆる基本の3つの和音だけですから、難しくはないでしょう。もっと変化をつけたい、マイナーコードや他のコードを使いたいという方は、自由にどんどんやってください。
せっかく作るみんなの歌ですから、歌詞をメンバー全員で考えてみるのもよいですね。どんな内容の詞にするか、どんな言葉を入れるか。和気あいあいと話し合いながら作ってゆけば、歌作りそのものが素晴らしい経験や想い出となって、友情や絆がさらに深まるはずです。
じつは僕も、大勢の人たちの想いや言葉を集めて一つの歌を作った経験があります。たとえば小学校の創立何十周年といった記念行事で学校の愛唱歌を作るとき。その作詞作曲を任されることがあります。そんなときはたいてい、児童の皆さんから歌に入れたい言葉や想いをたくさん出してもらい、それらをまとめる形で作詞をすることになります。同様のやり方で、合唱団の団歌を作らせていただいたこともあります。
そんなとき、どういったことに気をつけたらよいでしょうか。ここからは僕の経験も交えてお話しすることにします。
まずこのような場合、できるだけメンバー全員の意向を歌詞に反映させたいと誰もが思いますよね。みんなが出してくれた言葉をぜんぶ盛り込めたらいちばん良いのですが、実際はそうはいきません。メンバーが5人くらいだったらそれも可能でしょう。でも、何10人という規模になるとそれは不可能です。
そこで1つの方法として、「意味の似た複数の言葉を1つに集約する」というテクニックがあります。たとえば誰かが「友情」という言葉を詞に入れたいと言ったとします。別のメンバーたちから「絆」や「協力」や「助け合い」という言葉が出てきたします。そんなとき、全部を採用していたら収拾がつかなくなります。
そこで、これらぜんぶをまとめて1つの言葉に置き換えることができないか考えるのです。いま出てきた4つの言葉を一つにまとめるとしたら……。たとえば「手をとりあって」なんていかがですか。そんなふうにして、みんなの声をどんどん集約してゆくのです。別の方法としては、これらの候補の1つである「友情」を採用して、「でもこの言葉には他のメンバーが出してくれた『絆』や『協力』や『助け合い』の意味も含まれているんだよ」と説明することもできます。そうすれば、メンバー全員が「この歌には自分の想いが込められている」という愛着を持つことができます。
歌作りの実例2~誕生日に感謝の歌、結婚式に祝福の歌を贈ろう~
家族や友人など、身近な人に改めて日頃の想いを伝えるのは照れくさいもの。でも歌という形にすれば、素直な気持ちを表現しやすくなります。相手もきっと感激してくれることでしょう。大切な人の誕生日、母の日や父の日に敬老の日。また結婚式や金婚式のような人生の節目に歌を贈るというのは素敵なことだと思います。
このようなシーンでは、やたら底抜けに明るい曲調でもよいのですが、どちらかというと穏やかに切々と想いを歌いあげるバラードふうの曲のほうが適しているでしょう。人間関係も人生も、良いことばかりではありません。さまざまな紆余曲折を、時間をかけて乗り越えることで愛や友情が育まれ、ほんとうの豊かさや幸せにたどりつけるのです。ゆっくりしたテンポで、マイナーコードも少し織り交ぜたコード進行にすると、そうした雰囲気を出すことができます。
ここでも一例として、次のようなコード進行を示します。テンポ72~80くらいで弾きながら何かメロディを考えてみましょう。
Aメロ 「C→G→Dm→Am→F→Em→Dm→G」を2回くり返し
Bメロ(サビ)「F→G→Em→Am→F→C→G→C」を2回くり返し
いかがですか。コード進行を弾いているだけでも感極まってくるでしょう(笑)。これだとちょっと暗すぎるなあ、もう少し明るい感じにしたいなという方もいるかもしれません。その場合は、AメロのDmをFに、AmやEmをCに置き換えるとだいぶ明るい感じになります。
こうした、切々と想いを歌い上げるような歌にはどのようなメロディが似合うでしょうか。世の中を見渡すと、僕の観察では、こうしたタイプの歌では出だしのAメロは「淡々と手紙を読むようなトーン」のものが多く見られるような気がします。音程の上下の飛躍はあまりなく、同じ高さの音符を比較的細かく刻んでゆく。そうすることで、穏やかに語りかけるような雰囲気を作り出すことができます。たとえばこんな感じ。
そうしてサビに来たところで、高い音のロングトーンを駆使して感情を解放するわけです。ここで「ありがとう」だとか「愛してる」だとか「いつまでもお幸せに」といった、歌の中心的なテーマを詞に乗せて叫ぶわけですね。淡々と続いてきたAメロから一転するわけですから、ドラマティックな展開になり、盛り上がること必至です。
あなたの想いをしっかりと相手に伝えるためには、なぜそういう想いを伝えたいのかという経緯、具体的なエピソードをAメロの詞で示しておくと効果的です。それがリアルなものであるほど、サビで歌い上げるあなたの想いは大きな説得力をもって相手に伝わるでしょう。さらには、赤の他人が客観的に聴いても「いい歌だな~」と思えるようなものがきっとできあがります。
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