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2025.11.19
音楽を愛する人々が魅せられるワルシャワ

2025秋、熱狂に包まれた「第19回ショパン国際ピアノコンクール」をリポート!~地元ファンの楽しみ方、ショパンゆかりのスポットも教えます~

5年に一度、街全体がショパンの旋律に包まれるワルシャワ。世界最高峰を誇るピアノコンクール「ショパン国際ピアノコンクール」は、地元の人々にとっても一大イベントで、タクシーの中やカフェなど、街のいたるところでこの話題が交わされます。
そんな熱気にあふれるショパンの街・ワルシャワで、地元ファンはどのような思いで過ごしているのでしょうか。彼らのお気に入りの過ごし方やおすすめスポットを通して、音楽と歴史が息づくこの街の魅力をショパンゆかりの場所とともに紹介します。

写真上:優勝したエリック・ルー
©Wojciech Grzedzinski

取材・文・写真:高坂はる香、編集部

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街全体を包むショパンコンクールの盛り上がり

ショパンコンクール開催中のワルシャワでは、いつも以上に随所でショパンの存在を感じることができます。街角にはコンクールやスポンサー企業のデジタル広告が点在し、アパレルショップにはショパンをモチーフにしたコラボレーション商品が並ぶなど、街全体が高揚感に包まれるのです。また、車内でピアノ演奏が楽しめるショパンコンクール限定デザインのトラムや、ワインを飲みながらライブ配信が見られるパブリックビューイングなど、参加型のファンイベントも多く行なわれます。

1869年創業のカフェ「A. Blikle」では、今回のコンクールのアイコンが施されたマカロンが売られていた
街で頻繁に見かけるショパン。こちらは文化科学宮殿のパブリックビューイングの案内(スポンサー企業ORLENが主催)

ショパンをめぐる熱狂の中心、ワルシャワ・フィルハーモニー

なかでも熱気がもっとも高まるのは、コンクール会場であるポーランド国立ワルシャワ・フィルハーモニーです。1901年創立のこの場所は、ショパンコンクールとともに歴史を刻んできました。

第1ステージから客席はほぼ満席。ファイナルへと進むにつれて、お気に入りのコンテスタントがステージに登場すると、演奏が始まる前から盛大な拍手が送られるようになります。

第3ステージまでは、コンテスタントが奏でるピアノの音色がさまざまな表情を見せ、ファイナルではオーケストラの壮麗で多彩な音色が、コンテスタントの演奏に寄り添います。聴衆は音の移ろいに息を合わせるように、うなずいたり、静かに目を閉じたりして聴き入り、会場全体がひとつの呼吸でショパンの音楽を見守っていました。コンクールは単なる競い合いではなく、ショパンを通してポーランドの精神と美意識を共有する祝祭のような雰囲気。客席の一角では、合間にショパンの自筆譜をタブレットで確認する若者の姿も。もしかすると、未来のコンテスタントかもしれません。世代を超えて受け継がれるショパンの音楽は、人々をこうも夢中にさせるのです。

ファイナルでステージに立つエリック・ルー
©Wojciech Grzedzinski
客席から温かな拍手が湧き起こり、ホール全体が感動に包まれた
©Miyuki Ishikawa

熱気を帯びるのはホールの中だけではありません。エントランス右手のチケットオフィスにも、当日券を求める人々で連日長蛇の列ができており、セミファイナル以降は、早朝から5〜6時間も並んで、ようやく夜の部のチケットを手にするという光景も見られました。

終演後のロビーには、時に地元テレビ局のインタビューのため、演奏を終えたばかりのコンテスタントが出てくることも。このときもまた、高揚を抑えきれないまま、感謝や賛辞の言葉を直接伝えようとロビーへと駆け寄る聴衆たちで、独特の熱気がわいてきます。さらに、取材が終わった瞬間はサインをもらえる絶好の機会とあって、たくさんのファンがコンテスタントに声をかけていました。人々が笑顔で囲み、拍手が自然と湧き起こる光景は、このコンクールがいかに深く人々の心に響いているかを物語っていました。

左:地元テレビ局が精力的に密着取材。あらゆるシーンを撮影していた
右:ファンに囲まれ、サインをするコンテスタント

また、ロビーにはコンクールのオリジナルグッズ売り場もあります。今回のアイコンとなったショパンモチーフが入った靴下やトートバッグ、マフラー、ショパンをイメージした香水など、多彩なラインナップが並び、訪れる人の目を楽しませていました。

定番商品を扱うグッズショップは、コンクール期間外でも営業しているので、会場の雰囲気を感じながら音楽ファンへの贈り物や自分へのごほうびを選ぶのも、楽しみのひとつになるでしょう。

グッズコーナー。会期中の休憩時間には長い列ができていて、街ではショパン柄のマフラーや靴下を身につけている姿も見られた

ワルシャワのベテランファンが伝授する、コンクールを愉しむ時間

老若男女が心待ちにする特別なひととき

ショパンコンクールは今や、ライブ配信によって世界中の音楽ファンがリアルタイムで視聴し、動向をチェックする時代となりましたが、現場で見守る地元の音楽愛好家にとって、ショパンコンクールとはどのような存在なのかを、実際に地元で毎回コンクールを鑑賞されている熱心なファンの方に伺ってみました。

子どもの頃からかれこれもう60年にわたって通い続けているというご高齢の方、仕事が終わり次第会場にかけつけてなんとか当日券を求め、できるだけ聴くようにしているという働き盛りの若い方など、その層はさまざま。

何大会にも渡りショパンコンクールに足繁く通うポーランド人エンジニアの男性は、「ポーランド人コンテスタントを応援する!」とずっと意気込んでいたにもかかわらず、今回はなんと「シオリはすごい!」と桑原志織さんのファンになったと話してくれました。音楽の力が国境を超えて共感を生む、その瞬間が垣間見られました。

会場で見かけたこちらの素敵なマダムにも、お話を聞いてみました。

「日本は大好きなのよ!」と快く取材に応じてくださった

「ショパンコンクールはなにしろ5年に一度しかない特別なイベントですから、私たちはこのときをいつも心待ちにしているんです。毎日ホールに通う愛好家には、メモをとったり、オペラグラスで舞台を見たりしている方もいるけれど、私の場合はそのどちらもせず、じっくりとその場に流れる音楽に耳を傾け、心の中にしっかりと記憶することに集中します」

会場で流れる一刻一刻を大切に味わうその姿勢から、ショパンコンクールがいかに特別で、精神的な重みを持つ存在であるかが伝わってきます。

単なる音楽コンクールではなく、精神的な体験

ワルシャワ生まれ、ワルシャワ育ちの男性は、本業はジャズドラマー。コンクール期間中、会場に来られない日にも、テレビや配信を通じて演奏をチェックし、友人たちと感想を語り合うといいます。

異なる音楽ジャンルで活動する彼が、ショパンコンクールにこれほど心を寄せるのはなぜなのでしょうか。

ポーランド伝統音楽にも精通するヤン・ムイナルスキさん

「ショパン・コンクールは本当に特別な存在なんです。ただ音楽のイベントというだけではありません。5年間ずっと世界中のファンに待ち続けられている、ひとつの大きな文化的イベントだと思います。例えるなら、オリンピックのようなものですね。ワルシャワ・フィルハーモニーの雰囲気も、いつものコンサートのときとはまったく違います。

ある意味で精神的な体験に近いというか……。時には、まるで教会にいるような感覚になるんです。作曲家、演奏者、そして聴衆——その三者がひとつに結びつくような瞬間があるんです」

その言葉には、ワルシャワの人々がこの祭典に寄せる深い敬意が表れています。さらに、ポーランド人としてマズルカをどう聴くのか尋ねると、リズムについて語ってくれました。

「ショパンが生涯愛したマズルカのリズムは、もともと農村で踊られていた民俗舞踊オベレクなどに由来します。オベレクは“くるりと回る”という意味で、足さばきや息づかいのなかに、音の揺らぎや重心の移ろいがあります。村で人々が踊る姿を見れば、マズルカの旋律とリズムの関係が一瞬でわかる。マズルカは、“生きたリズム”なんです」

ショパンのマズルカの根底にある民俗舞踊の息づかいを知ることが、ショパンの本当の響きを理解するための第一歩なのだといいます。ポーランド人としての誇りと、ポーランド音楽への深い愛が、彼の言葉から静かに伝わってきました。コンテスタントたちが演奏するマズルカも、微妙に揺れるテンポや呼吸の間合いが、聴く人の心をそっと掴み、民族の記憶とともに生きている“息づかいから生まれるリズム”を感じさせます。

鑑賞の前後に語らい合う場

コンクール期間中のワルシャワでは、ホールの外でも音楽談義が尽きません。演奏の余韻を語り合うのにふさわしい上質なレストランやカフェが、会場周辺には数多く点在しています。

その中でも、長年のファンに愛されているのが、ワルシャワ国立劇場内にあるレストラン「Restauracja U Wieniawy」。格式ある落ち着いた雰囲気の中で、伝統的なポーランド料理を堪能できます。「何を食べても美味しいし、ゆったりとした時間を過ごすことができるわよ」と、さきほどのマダムが微笑みながら教えてくれました。ワルシャワ・フィルハーモニーからも徒歩15分ほどと、コンサートの前後に立ち寄るのにも便利です。

地元の方にもう一軒おすすめいただいたのが、同じくフィルハーモニーから徒歩圏内にある「Restauracja Wódka Gessler Na Widelcu」。ポーランドの伝統料理をモダンなスタイルで再構築し、上質な素材と洗練された技が光る一皿が並びます。

メニューには、伝統的な味を守りながら、質の高い素材と洗練された技が光る一皿が並びます。店名に「Wódka(ウォッカ)」とある通り、自家製ウォッカやポーランドらしいドリンクも充実。料理とともにポーランドらしさを味わえる空間です。

このほか、クラフトビールを楽しめる「The Taps」や、おしゃれなワインバー「Niewinność」、そして、お腹をしっかりと満たしたい方におすすめの「Reina Steakhouse」なども人気だそうです。「Reina Steakhouse」では、コンクール期間中にコンテスタントや審査員がここを訪れ、お肉を食べて英気を養うことも。ステージの熱気が冷めやらぬ夜、第一線で活躍するピアニストたちと同じ空間で味わう一皿は、音楽の余韻をより豊かにしてくれるでしょう。

Reina Steak Houseの外観
店内から見えるワルシャワ・フィルハーモニー

ワルシャワの人々にとって、ショパン・コンクールは単なる音楽イベントではなく、街全体がひとつの舞台となる文化の祝祭。会場で生演奏を堪能するのはもちろん、足を運べない日にはテレビやラジオ、オンライン配信を通じてその熱気を追いかけます。開催期間中は、どこにいても自然とコンクールの話題が交わされ、友人同士で感想を語り合う姿も見受けられるのです。

また、上質なレストランで食事を楽しみながら、お気に入りの演奏やコンテスタントについて語り合うのも、この時期ならではの楽しみ方のひとつ。ショパンの音楽が生活の中に溶け込み、誰もが心待ちにするこのコンクールは、ポーランドの人々にとって特別な誇りと喜びの象徴となっています。

ショパン通なら一度は訪れたい、その足跡

ショパンは、郊外のジェラゾヴァ・ヴォラで生まれ、物心つく前に家族でワルシャワに移り、20歳までの青春時代を過ごしました。そのため、ワルシャワにはショパンにゆかりのあるスポットが点在します。

ここでは、会場のワルシャワ・フィルハーモニーから徒歩でアクセスできるスポットを紹介します。ショパンの過ごした生活圏や感じていたであろう気候、そこに住む人々の雰囲気を体験することは、きっと彼の音楽を深く知る手立てにもなるでしょう。音楽を聴く・演奏するうえでインスパイアされることがあるかもしれません。

サスキ公園〜ショパンが幼少期に住んだ場所

ワルシャワ中心部に広がるサスキ公園は、朝の散歩にもぴったりの静謐な空間です。木々の合間を歩いていると、遠くで子どもたちの笑い声が響き、かつてこの地に暮らした若きショパンの姿がふと重なります。

園内には、ショパン一家がワルシャワで最初に住んだ建物の跡地があります。かつてこの地に建っていたサスキ宮殿は、ワルシャワ中等学校として使われ、父ミコワイはここでフランス語を教えていました。少年ショパンも、この敷地の一角で音楽の芽を育んでいたのです。

入口近くにある「無名戦士の墓」では、絶えることのない炎が灯され、衛兵が毎正時に交代します。澄んだ空気の中に響く足音と衛兵の姿からは一瞬緊張感が漂い、ポーランドの人々が歩んできた歴史を静かに語りかけてくるようです。

噴水が美しいサスキ庭園

聖十字架教会〜ショパンの心臓を拝みに

ワルシャワ大学の向かいにたたずむ聖十字架教会。淡いベージュの外壁と繊細な装飾が印象的な、バロック様式の教会です。パリで没したショパンが残した「心臓は祖国へ持ち帰ってほしい」という遺言に従い、姉のルドヴィカが持ち帰ってきた心臓が安置されています。

ショパンコンクールは、ショパンの命日である10月17日は空き日となっているのが恒例で、この日はこの教会を会場に、追悼コンサートが行なわれます。コンサートには多くの市民がつめかけ、立ち見の聴衆でいっぱいに。今年はピアニストのヴァディム・ホロデンコによるモーツァルト《レクイエム》のピアノ・ソロ版(編曲:カール・クリントヴォルト)が演奏されました。会場に集った多くの人々の想いがひとつになり、ショパンを偲ぶ特別な時間となりました。

ショパン研究所のレーベルからCDもリリースされているホロデンコによる演奏

ショパンの命日に開催されたモーツァルトの《レクイエム》演奏会の様子。ポーランド人をはじめ、ショパンに想いを寄せる人々で教会内は埋め尽くされた
教会の柱の陰、プレートの下に眠るショパンの心臓は、今も静かにこの街を見守っている

ヴィジトキ教会〜ショパンが弾いていたオルガン

ワルシャワ大学のすぐ隣に立つヴィジトキ教会は、戦火を免れて残った数少ない歴史的建築のひとつです。白く輝く外壁をくぐると、柔らかな光に包まれた聖堂が広がり、その奥にショパンが学生時代に演奏していたオルガンが今も残っています。

彼は1825年、この教会で日曜ミサのオルガニストに任命され、礼拝で音楽を奏でていました。ここで出会ったのが、初恋の人といわれるコンスタンツィア・グワトコフスカ。オルガンの音に導かれ、淡い恋心が音楽とともに芽生えた場所でもあります。

教会内に足を踏み入れると、若きショパンが奏でるパイプオルガンの音がどこかから響いてくるようで、時間が静かに巻き戻されていくような錯覚を覚えます。

ショパンが通っていた学校の生徒のためにミサが行なわれていたヴィジトキ教会。1825年にショパンはそのミサのオルガニストに任命された
ショパンが演奏していたパイプオルガンも現存する(パイプは大部分入れ替えられている)

大統領官邸(旧ラジヴィウ宮殿)

現在は大統領官邸として知られるラジヴィウ宮殿。この荘厳な建物は、ショパンがわずか7歳で初めての公開演奏を行なった場所です。1818年、慈善コンサートでボヘミアの作曲家イーロヴェツの「ピアノ協奏曲」を披露したショパン少年は、聴衆を魅了しました。

当時の当主ラジヴィウ公は音楽に深い造詣をもち、チェロの名手として知られ、自らも作曲や演奏を楽しみ、館は芸術家や知識人が集う文化サロンとして賑わっていたといいます。そのラジヴィウ公の前で演奏したショパンは、その後、次々と貴族の館に招かれ、演奏を重ねていきました。ショパンの才能を世に知らしめる第一歩となったこの地を前にすると、拍手の余韻とともに、未来の作曲家が羽ばたいた瞬間を追体験できるようです。

大統領官邸前にはナポレオン時代に活躍した将軍、ユゼフ・ポニャトフスキの騎馬像がそびえ立つ

ミョドヴァ通り~芸術家と知識人が行き交った街角

王宮にほど近いミョドヴァ通りは、ショパンの時代から芸術と文化の香りに満ちたエリアとして知られていました。かつてこの通りには、優雅な回廊に面して書店や楽譜店、ピアノ工房などが立ち並び、ワルシャワの流行に敏感な人々が集ったといいます。

そのひとつが、有名な書店兼出版社「ダルトロッツォ書店」。音楽院の出版物やリトグラフ(石版画)も扱っており、ショパンもよく足を運んでいたと伝えられています。ここで販売されていた楽譜や書物の数々が、若きショパンの感性を育む一助となっていたのかもしれません。

この通りには詩人ユリウシュ・スウォヴァツキも一時期暮らしており、芸術家や知識人が集う場としても賑わっていました。今も歴史ある建物が立ち並び、石畳を歩けば、当時の文化の息吹がそっと甦るようです。

ショパン博物館~多角的にショパンを学び、感じる

ショパンの生涯をたどるなら、ショパン博物館は外せません。直筆譜や愛用のピアノ、手紙などが展示され、最新の映像技術を駆使して、彼の音楽世界に没入できる体験型の空間となっています。

なかでも印象的なのは、少年時代のショパンが書いたノートや手紙。カリグラフィーのように整えられた筆跡は驚くほど美しく、その几帳面さと美意識の高さに息をのむほどです。その緻密な線の運びには、のちの楽譜に見られる精緻な構成や、音の細部にまで宿る繊細な感性がすでに感じられます。展示を前に立ち尽くすと、書くこと、音を紡ぐことが、彼にとってひとつながりの表現であったことに気づかされるでしょう。

ショパン音楽大学の近くに立つショパン博物館

ワジェンキ公園〜夏季にはショパンコンサートも開催

市の南に広がるワジェンキ公園は、ワルシャワ市民にとって憩いの場所。広大な森の中にたたずむショパン像のまわりでは、5月から9月の毎週日曜に野外コンサートが開かれます。ピアノの音が木立の間を抜けて風に乗り、ベンチに座る人々が静かに耳を傾けます。子どもの頃に親に連れられてこのコンサートを聴くことが、ワルシャワの人々にとって「初めてのショパン体験」になることもあるそうです。

特にショパンコンクールが開かれる10月は、“黄金の秋”と呼ばれる色づいた木々とショパン像のコラボレーションを楽しむことができます。森の中を駆け回るリスに遭遇できるというお楽しみも。

フィルハーモニーから徒歩30分ほど南にある、ワジェンキ公園の中央にそびえるショパン像
ワジェンキ公園ではかわいいリスに会えることも

足を伸ばして……ジェラゾヴァ・ヴォラの生家

ワルシャワ郊外にあるショパンの生地。ショパンが生まれた家は博物館として公開されています。庭園も美しく整備されていて、ゆっくりと散策すれば、ショパンが生まれたときに包まれていた空気や光を感じることができるでしょう。

ワルシャワ中心部からは車で1時間ほど。車窓から広大な草原や生い茂る木々、のどかな景色を眺めていると、ショパンがマズルカにこめた心情が少し身近に感じられるかもしれません。

夏には庭園の一角でコンサートが開かれ、草の香りとともにショパンの調べが風にのって広がっていきます。

中にはショパンが暮らした時代のリビングルームや本棚の再現などが展示されている
美しい庭園にたたずむショパン像

ショパンの音楽は、いまもワルシャワの街に生き続けています。人々の日常に寄り添い、世代を超えて愛される存在であることは、コンクールの熱気からも伝わってきます。そんなショパンとともに歩んできた街角や建物をめぐれば、音楽と歴史が交差する特別な体験となるでしょう。

ワルシャワを訪れる際には、ぜひショパンの足跡をたどり、この街ならではの響きを感じてみてください。

取材協力/ポーランド政府観光局

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