絶賛公開中!

誰もビートルズを知らない世界でスターに......主人公の“嘘”にドキドキの映画『イエスタデイ』

読みもの
2019.10.25

デビューから半世紀以上経った今も人々を魅了し続けるザ・ビートルズの音楽をふんだんに盛り込んだ泣いて、笑える映画『イエスタデイ』が絶賛公開中です。作品を通して伝わってくるビートルズへの愛に共鳴した岩崎由美さんが紹介してくれました。

岩崎由美 ジャーナリスト、フリーアナウンサー
岩崎由美
岩崎由美 ジャーナリスト、フリーアナウンサー
東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員 岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、キャスター、レポーターとしてテレビ、ラ...

ある日、自分以外の世界からビートルズが消えてしまった!

ザ・ビートルズは、すごいファンというわけではないけれど聴いたことがあるし、なじみがあり、どこかで耳にしたことがある有名なものばかり。どの曲を聴いても胸がキュンとします。そのビートルズの名曲の数々がたっぷりと楽しめ、クスッと笑える映画『イエスタデイ』が上映中です。

物語は、イギリスの小さな田舎町で仕事をしながら、中学生の頃からの夢をあきらめきれずシンガーソングライターを続けるジャックが主人公。幼馴染のエリーがマネージャーをつとめ、歌をやめようとする彼をいつも励まし続けている。

ある日突然の停電を機に、世界からザ・ビートルズが消えてしまい、唯一楽曲を知るジャックがビートルズの曲を歌うと天才だと騒がれ始める。ついにジャックは人々を感動させ、観客を興奮の渦に巻き込むアーティストになるのだが……。

正真正銘のポップスター エド・シーランも出演

監督は、『トレインスポッティング』や、『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞8部門の受賞を果たしているダニー・ボイル。

脚本は、『ラブ・アクチュアリー』でアカデミー賞にノミネートされ、『ノッティングヒルの恋人』や『ブリジット・ジョーンズの日記』などのロマンティック・コメディの名手として知られるリチャード・カーティスです。

ビートルズが大好きなリチャード・カーティスは、プロデューサーが持ってきたアイデアをもとに脚本を書き上げるとすぐに、ダニー・ボイル監督に依頼しました。ビートルズの曲とこの2人が集まれば、イギリスの才能の粋を集めたようなもの。

しかも、この映画に本人役で登場する、グラミー賞を4回受賞し、ジャスティン・ビーバーにも楽曲を提供している、今やスーパースターとなったエド・シーランその人の成功物語からもヒントを得ていると言います。

カーティスとシーランは友だち同士。シーランは、ジャックの故郷となるサフォークの出身で、彼自身パブで演奏していたシンガーソングライターであり、努力して大成功をおさめた人物。

物語の中でシーランは、無名のジャックを見出し、前座で歌わせ、それが成功への第一歩となるという重要な役どころを担います。しかも、2人で曲作りの競争をする場面があるのですが、そこでジャックはビートルズの歌をするりと歌い、その歌を聴いて「いったいどうやって曲を作ったの? 信じられない」と、脱帽します。

巨大なウエンブリー・スタジアムでのシーンは、エド・シーランが、ちょうどツアー中だったからこそ、かないました。

私は、テレビで毎週『ベストヒットUSA』を見ているおかげで、エド・シーランのミュージックビデオも見ていたので、なんだかすごく嬉しかった。

音楽シーンは口パクなし! すべてライブ収録で撮影

ボイル監督は、「ライブシーンは、口パクではなくライブで撮影することにこだわった」と言いますから、必然的に歌える俳優と完璧に録音できるサウンドディレクターが必要です。そこで、『レ・ミゼラブル』でアカデミー賞録音賞を受賞しているサイモン・ヘイズに白羽の矢が立ち、24ある音楽シーンすべてをライブで録音することがかないました。

映画『イエスタデイ』オリジナル・サウンドトラック

主演のジャックを演じるヒメーシュ・パテルは、インド系のコメディ俳優です。歌のオーディションで選ばれただけあって、なかなかの歌のうまさ。その歌声は、優しくて繊細で、透明感があります。ギターも歌も、撮影に入る前から練習に明け暮れたとか。そのまま彼が弾く音源を使っています。

ただ、劇中メジャーデビューに向けてかけのぼっていくジャックが、どれほどスターっぽく変貌するのかと思ったら、あまりにも変わらなくて、それはそれでビックリ(笑)。

また、ビートルズの曲を思い出そうとしてもあいまいだったり、歌詞もおぼろで、記憶をたどって奮闘するさまが何ともおもしろい。たしかに、大好きな曲でも何となくイメージで覚えていて、うろおぼえなことって多いですよね。

エリー役のリリー・ジェームズは可愛くてフレッシュ。彼女がこの作品の魅力を高めていることは間違いありません。

自分が作った曲でもないのに偽り続け、いったいどうなってしまうんだろうとハラハラドキドキさせられます。

誰かが彼のウソに気づくかもしれないという不安に襲われながら、頂点に登りつめていくのですが、最後はさわやか、笑顔で作品を見終えられますので安心してください。

ビートルズの名曲とオマージュも満載

最初に登場するのは『Yesterday』。あまりに完璧な曲に、周りの友人は涙します。

『Let It be』は途中までで遮られ、ジャックがローカル局で演奏するのが『In My Life』。ロシアで演奏したのが『Back in the USSR』。シーランとの即興の曲作りで披露したのが『The Long and Winding Road』

『Penny Lane』『Eleanor Rigby』『Strawberry Fields Forever』は、ジャックがなかなか歌詞を思い出せなくて苦労し、『Here Comes the Sun』『While My Guitar Gently Weeps』『Hey Jude』と続き、そして海辺のホテルの屋上で演奏する『Help!』。本当に大切なものに気づいたとき『All You Need Is Love』を歌います。

ビートルズへの愛と、敬意がたっぷり詰まった作品です。

残念ながら私にはわからないけれど、マニアの人には、たまらないほどのビートルズに対するオマージュカットがたくさんふくまれているのだとか。どの世界でも詳しければ詳しいほど楽しめるものですね。

素晴らしい曲を生み出してくれたすべてのアーティストに心から感謝したくなりました。彼らが存在しなければ、その曲を聴くことができず、その感動や、興奮を味わうことができなかったのです。

存在してくれてありがとう。作品をこの世に送り出してくれてありがとう。あなたのおかげで、わたしたちは幸せです。

絶賛公開中!
『イエスタデイ』

『YESTERDAY』(原題)

監督: ダニー・ボイル

脚本: リチャード・カーティス

製作: ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、マット・ウィルキンソン、バーニー・ベルロー、リチャード・カーティス、ダニー・ボイル/製作総指揮:ニック・エンジェル、リー・ブレイザー

出演: ヒメーシュ・パテル(「イーストエンダーズ」)、リリー・ジェームズ(『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』)、ケイト・マッキノン(『ゴーストバスターズ』)、エド・シーラン(本人役) 配給宣伝:東宝東和 ©Universal Pictures

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