読みもの
2020.06.29
林田直樹のミニ音楽雑記帳 No.18

声優・駒田航がキャラクターヴォイスを担当! 超イケメンなベートーヴェン

林田直樹
林田直樹 ONTOMOエディトリアル・アドバイザー/音楽ジャーナリスト・評論家

1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...

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声優の力って、本当にすごいなと思う。

文章を読んでいるとき、絵だけで見ているときには決して感じられなかったような、熱い思い、体温や息吹きが伝わってきて、その物語のキャラクターが、いきいきとした人間として動き始め、一気に身近になるからだ。

そういう意味で、アニメ・洋画の吹き替えやナレーションで活躍する人気声優・駒田航(こまだ・わたる)が、生前のベートーヴェンの手紙のなから、有名な「不滅の恋人」に宛てた手紙の一節、「ハイリゲンシュタットの遺書」からの一節を、心を込めて熱く語っている2つの編集企画CD「恋におちたベートーヴェン」「我こそは、ベートーヴェン」は、すごく面白かった。

駒田はドイツ出身ということもあって、ドイツ語も時おり交えながら、同じ男性が聞いても惚れ惚れするような二枚目ヴォイスで、かっこよく、俺様な感じのベートーヴェンになりきっている。しかもそれが、少しも嘘っぽくならず、本当のベートーヴェンもこうだったのでは、と思わせる真実味がある。

駒田航(こまだ・わたる)。日本語、ドイツ語、英語を話せるトリリンガルであることを活かし、アニメや洋画の吹き替え、ナレーションと、多岐にわたって活躍中。

ジャケットイラストを担当した留守key(るすきー)は、「B(べー)~ブラームス二十歳の旅路」も手掛けた創作漫画ユニット。作曲家へのリスペクトが伝わってくる。

選曲・構成も素晴らしい。有名どころはしっかり押さえながらも、ベートーヴェンの内省的な音楽に対する心配りを忘れていない。

旧東ドイツの国営レコード会社ドイツ・シャルプラッテンの音源を中心に、ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン、ペーター・レーゼル(ピアノ)らの演奏は、格調高く聴きごたえ充分。なかでもペーター・シュライヤーのテノールによる歌曲集「遥かなる恋人に」(全6曲)が入っていたのは、ベートーヴェンの歌の美しさを知るうえでも、光るチョイスである。

生誕250周年を機に、もっとベートーヴェンの音楽を身近に感じてみたい、という人にとっては、最高の入門編になりそうだ。

告知PV公式動画(駒田航の朗読が一部視聴可能)

林田直樹
林田直樹 ONTOMOエディトリアル・アドバイザー/音楽ジャーナリスト・評論家

1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...

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