第48回ピティナ・ピアノコンペティション 特級ファイナリスト4名が決定!
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ピアノ指導者の全国組織であるピティナ(全日本ピアノ指導者協会)が主催し、毎年全国からのべ約3万組が参加する世界最大規模のピアノコンクール「ピティナ・ピアノコンペティション」。未就学児から成人までを対象とした11段階からなるソロ部門と、連弾・2台ピアノのデュオ部門、中学3年生以上のピアノ愛好者を対象としたグランミューズ部門からなる。
なかでもソロ部門の最高峰「特級」は、年齢制限がなく、「もっとも国際コンクールに近い国内コンクール」を標榜している。これまで、阪田知樹、角野隼斗、亀井聖矢、谷昂登、實川風、進藤実優、森本隼太など、国際コンクール入賞等を果たし、国内外で活躍する多くの音楽家を輩出してきた。
今年の特級は、6月の第一次予選から始まり、7月の第二次予選、第三次予選を経て、7名が8月18日のセミファイナルに臨んだ。
そしてこのたび、4名のファイナリストが決定。ファイナルでは、課題となる20のピアノ協奏曲の中から任意の1曲を選び、角田鋼亮指揮、東京フィルハーモニー交響楽団とサントリーホールで共演する。
左上:大山桃暖(大阪音楽大学1年)、プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 Op.26
右上:塩﨑基央(東京音楽大学4年)、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」
左下:南杏佳(ボストン音楽院修了)、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23
右下:山本悠流(東京藝術大学大学院 修士)、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30
第48回ピティナ・ピアノコンペティション 特級ファイナルが生中継される YouTubeチャンネル
国際コンクールを見据えた課題とスケジュール
「特級」は、国際コンクールにも通用するピアニストの輩出を目的としているため、課題や日程が国際コンクールの準備となるように設計されている。
課題は、古典ソナタ、ショパンとそれ以外のエチュード、新曲課題、ピアノコンチェルトなど、国際コンクールで必ず課される内容を網羅。
そして「ファイナル」では、指揮者との打合せ、オーケストラ・リハーサル、当日のゲネプロにそれぞれ充分な時間を取り、共演経験そのものが、その後の人生の音楽的な糧となるように入念な準備が保証されている。
また、審査員には国際コンクールの審査や入賞者の指導、海外音楽祭での演奏や教育など、現役で国際的に活躍しているピアニスト・ピアノ教授を厳選し、セミファイナル~ファイナルには毎年、3~4名の海外招聘審査員を招く。常に新しい審査員を招聘することで、新しい視点を取り入れ、海外に向けて日本のピアニストのレベルをアピールすることにも貢献している。
聴き手も一緒に楽しむコンクール
「特級」は、早くから、「聴衆にいかに楽しんでもらうか」をテーマに、他のコンクールに先駆けて、さまざまな新しい取り組みを行ってきた。
2002年から開始した「聴衆賞」は、来場者の投票によって受賞者を決定し、さらに「入場料総額の半額を授与」というユニークな試みを展開。また、2008年には、国内音楽コンクールではいち早くインターネットによるライブ配信を実現している。
国際コンクールにならってラウンドが進むごとに間隔が短くなっているこの「特級」。コンテスタントたちは、ファイナル本番を体力の限界で迎えることになる。6月からの3か月を駆け抜けてきた未来のスターたちの熱演を、ぜひこの耳で確かめ、声援を送り、一緒に楽しみたい。
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