古楽界の鬼才ファビオ・ビオンディが、バッハの無伴奏全曲を神奈川県立音楽堂で初披露
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
イタリアのシチリア生まれ、1990年に結成したピリオド楽器によるアンサンブル「エウローパ・ガランテ」とともに、古楽界を牽引してきたバロック・ヴァイオリニスト、ファビオ・ビオンディ。
イタリア、パレルモ出身。12 歳でソリストとしてイタリア国立放送交響楽団(RAI)と共演し、国際的キャリアをスタート。1990年、イタリア・バロック音楽アンサンブル「エウローパ・ガランテ」を結成し活動を始める。11年よりサンタ・チェチーリア音楽院学芸員。15年から18年までバレンシアのソフィア王妃芸術劇場の音楽監督を務める。15年、フランス文化省から芸術と文学の国家学術員に任命された。19年にはポーランド政府から優れた文化的業績が認められて、勇気と真実の勲章を授与された。使用楽器は 1686年クレモナ製のアンドレア・グァルネリ。また 1766年製のカルロ・フェルディナンド・ガリアーノも使用しており、この楽器はパレルモの彼の師匠が携わる、サルヴァトーレ・シチェーロ基金から貸与されている。
写真は2022年10月 神奈川県立音楽堂にて ©ヒダキトモコ
今や伝説となった90年代の《四季》をはじめとするヴィヴァルディ作品や、オペラ、近年はメンデルスゾーンなど古典派以降の音楽まで唯一無二の解釈を聴かせる名手が60歳にして初めて、J.S.バッハによる無伴奏ヴァイオリン作品(ソナタ3曲とパルティータ3曲)の全曲を聴衆の前で披露します。
ビオンディ曰く『これまでその時が来るのを待ち続けた』と言う無伴奏ヴァイオリン作品の金字塔。今回のコンサート初披露に先駆けて、録音がリリースされています。
ビオンディが、この曲の演奏の舞台に選んだのは神奈川県立音楽堂。1994年に前述のヴィヴァルディ《四季》で初登場し、1999年にはリサイタルで再登場。2006年からは日本初演のオペラ・プロジェクトとしてタッグを組み、ヴィヴァルディのオペラ《バヤゼット》、 2015年《メッセニアの神託》を上演。2020年に上演予定だったヘンデルの謎のオペラ《シッラ》は、コロナ禍により一度は中止になったものの、2022年10月に困難を乗り越え上演を成功させ、ホールとの絆をさらに深めてきました。
2024年2月17日(土)の公演当日は14時と18時の2回公演、各公演3曲ずつ演奏されます。
バロック・ヴァイオリンの巨匠が満を辞して挑む「バッハの無伴奏ヴァイオリン」。天井から壁まで木に包まれた、素晴らしい音響をもつ「音楽堂」で、昼夜たっぷりと浸ってみてはいかがでしょうか。
日時: 2024年2月17日(土) 第1部14:00開演 第2部18:00開演
会場: 神奈川県立音楽堂
出演: ファビオ・ビオンディ
プログラム: J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ& パルティータ 全曲
©︎Emile Ashley
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