ショパン国際ピアノコンクールへのはじめの一歩 ショパンランドコンクールがこの秋開催
この秋、ポーランド人作曲家の作品を課題曲としたピアノ学習者向けの「ショパンランドコンクール」が初めて開催されます。
コンクールを主催するポーランド音楽出版社(PWM)のディレクター、ダニエル・チヒ博士にコンクールとショパン、そしてポーランド音楽についてお話をうかがいました。
2019年夏、息子が10歳を過ぎたのを機に海外へ行くのを再開。 1969年東京都大田区に生まれ、自然豊かな広島県の世羅高原で育つ。子どもの頃、ひよこ(のちにニワトリ)...
未就学児から参加できるコンクール
――ポーランドの音楽と言えば、日本の多くの人はショパンをイメージしていると思います。「ショパンランドコンクール」の課題曲にはショパン以外の作曲家の曲もたくさんありますね。
チヒ博士 ポーランドの音楽との良き出会いの機会になると思います。
ショパンの創作に影響を与えた人たちもいました。同時に、ショパンから影響を受けたポーランドの作曲家もいるのです。
――このコンクールに参加できるのは、どういう人たちでしょうか?
チヒ博士 未就学児から高校生までです。私たちがこのコンクールを企画したのは、ショパン国際ピアノコンクールに参加するための第1ステップのようなものになればと考えたからです。
マズルカを理解する助けになるもの
――私は、オンラインでショパン国際ピアノコンクールを聴いていました。アジア人の演奏するポロネーズやマズルカは、ポーランド人の演奏とは違いますね。
チヒ博士 確かに、マズルカには特別なリズム感があります。音と音の間には独特の間があり、それを説明するのは難しいことです。楽譜を見ても、すべての答えは出てこないですし、すべてを理解することもできません。
ショパンがポーランド時代にシャファルニャなどで休暇を過ごした時、どんな音楽を聴いていたかなど、彼の作曲したマズルカのルーツをよく知ることがとても大切だと思います。マズルカは舞踊の曲ですので、踊りについても勉強すれば、マズルカを演奏する際の助けになるのではないかと思います。
――素朴な疑問ですが、ポーランドでは今でも踊られているのですか?
チヒ博士 残念ですけれど、普段はあまり踊ることはないですね(笑)。 でも、少し前までは、地方の結婚式などではマズルカを踊ったりしていました。
踊り方などはそんなに決まっていなくて、男性がリードして踊っていましたね。「マズルカは必ずこう踊らなければ!」ということはないですね。ただし、リズムはもちろん守らなければいけません。
ポーランドでよく使われている楽譜は?
――ところで、PWMはショパンのナショナル・エディションの出版にもたずさわっています。
チヒ博士 ショパン国際ピアノコンクールでは、ナショナル・エディションを推奨していますが、必ずというわけではありません。
ポーランドの音楽小学校や音楽高校では、ショパン初期の作品を弾く時にはパデレフスキ版がよく使われています。音大では、音楽に対する意識を広げるために、先生方はナショナル・エディションをよく使っていますね。
幼児(未就学児)、小学1・2年、小学3・4年、小学5・6年、中学、高校
【予選】
東京:9月3日(土)、4日(日)/カワイ表参道 パウゼ/6月1日~8月7日
広島:9月11日(日)/カワイ広島 パーチェ/6月1日~8月14日
名古屋:9月18日(日)/カワイ名古屋 ブーレ/6月1日~8月21日
大阪:9月25日(日)/カワイ梅田 ジュエ/6月1日~8月28日
【本選】
10月22日(土)、23日(日)/Hakuju Hall
【受賞者記念コンサート&レセプション】
10月24日(月)/駐日ポーランド共和国大使館
課題曲やコンクール詳細はこちら
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