サイモン・ラトルがロンドン交響楽団日本ツアー2022記者会見に登場!
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
サー・サイモン・ラトル指揮、ロンドン交響楽団による日本ツアーが2022年9月30日~10月6日に開催される。京都、大阪、神奈川、北海道、東京、福岡の6都市で8公演を予定しており、コロナ禍で延期を余儀なくされた2020年の来日予定から2年越しの実現となる。日本ツアーに先駆けて、6月13日には記者会見が行なわれ、サー・サイモン・ラトルとロンドン交響楽団マネージング・ディレクターのキャサリン・マクダウェルが今回のツアーへの想いなどを語った。
ラトルは来日について「指揮者キャリアのなかでこれほど長い間日本から離れていたことはない。どれだけ日本に行くのを恋しく思ったか……どのツアーも特別なものだった。今回は幅のある多様なプログラムを日本にもっていくことができて嬉しく思う」と喜びを表した。
今回の公演では、ブルックナーの交響曲第7番やシベリウスの交響詩《タピオラ》、エルガーの交響曲第2番、そしてラヴェルやドビュッシーといったフランス音楽などが演奏される。ラトルがロンドン交響楽団の一番魅せたい側面は、まさに“多様的なところ”だという。各プログラムについては、以下のようなコメントを述べた。
【プログラムA】シベリウス:交響詩《大洋の女神》、交響詩《タピオラ》、ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(B-G.コールス校訂版)
「ブルックナーとシベリウスの交響詩では、自然がぶつかりあい、進化を遂げる。どちらも自然の力を感じる作品です。B-G.コールスは優秀なブルックナーの研究者。自分の考えを差し置いてブルックナーが何を書いたのかにとことん誠実に向き合った版です。だから今回私たちは“正しい7番”を演奏できると思う」
【プログラムB】ベルリオーズ:序曲《海賊》、武満徹:ファンタズマ/カントスII、ラヴェル:《ラ・ヴァルス》、ほか
個人的に大好きなフランス音楽も取り入れたかった。フランス音楽から影響を受けた武満徹の作品を日本で演奏したいとずっと思っていたので、トロンボーン協奏曲(ファンタズマ/カントスII)を取り上げる。武満徹はジャズから非常に影響を受けている。父がジャック・ティーガーデンを好きで私も小さいころから聴いて育った。トロンボーンが歌手のように美しいアリアを奏でる」
【プログラムC】ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》から「前奏曲と愛の死」、R.シュトラウス:オーボエ協奏曲、エルガー:交響曲第2番
「英国の交響曲、エルガーの作品を紹介したい。そして、マーラーやエルガーがその流れを汲んだワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》を通して、ロマン派後期がいかに華やいだかわかる。R. シュトラウスのオーボエ協奏曲は、最後の伝統的な手法で書かれた作品で、彼の伝統の締めくくり。このように、ロマン派音楽の一番濃厚な時代を表したプログラムになっている」
また、二人は日本文化が大好きなことも明かした。キャサリン・マクダウェルは「オーケストラを代表して、日本食が大好きと言える。楽団員にはお気に入りのレストランがあるので、まだあるか今から話している」「近年行けなかったほかの都市にいけるのもみんな楽しみにしている。札幌にいけるのも楽しみ」と団員たちの様子も語り、ラトルは「日本の文化は常に自分の人生にあった重要なものなので、歌舞伎などを観に行きたい。東京をただぶらぶら歩くのも楽しみ」と楽しそうに話した。
ラトルが音楽監督としてロンドン交響楽団と来日するのは、今回が最後となる。「ロンドン交響楽団は柔軟性もある素晴らしいオーケストラ。音の深みをさらに出していきたい」というラトルの言葉に期待が高まる。
【京都公演】
日時: 2022年9月30日(金)19:00開演
会場: 京都コンサートホール
【大阪公演】
日時: 2022年10月1日(土)16:00開演
会場: フェニーチェ堺
【神奈川公演】
日時: 2022年10月2日(日)14:00開演
会場: ミューザ川崎シンフォニーホール
【北海道公演】
日時: 2022年10月3日(月)19:00開演
会場: 札幌コンサートホールKitara
【東京公演】
日時: 2022年10月5日(水)19:00開演
会場: サントリーホール
日時: 2022年10月6日(木)19:00開演
会場: サントリーホール
日時: 2022年10月7日(金)19:00開演
会場: 東京芸術劇場
【福岡公演】
日時: 2022年10月9日(日)15:00開演
会場: 北九州ソレイユホール
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