ロームシアター京都が第17回公共建築賞を受賞! 建築ツアー2021も開催
ロームシアター京都が第17回公共建築賞において、公共建築賞(国土交通大臣表彰)を受賞しました。
一般社団法人公共建築協会主催の公共建築賞は、公共建築の総合的な水準の向上に寄与することを目的として、国の機関や地方公共団体、政府関係機関が施行した建築物を対象に選定されます。
審査の焦点となるのは、建築として企画・設計・施工が優れていることや、地域社会への貢献度や文化性が高いことなど。3部門(行政施設部門、文化施設部門、生活施設部門)ごとに、各1施設が「国土交通大臣表彰」に選定され、ロームシアター京都は「文化施設部門」での受賞となります。
ロームシアター京都は、戦後モダニズム建築の傑作と評された京都会館(1960年に開館)から、2016年にリニューアルオープン。モダニズム建築の魅力をそのままに、カフェ・レストラン「京都モダンテラス」をはじめ、新たに市民の憩いや集いのスペースとして地域を活性化させる空間が加わった。
審査員のコメントは以下の通り。
築後50年を経た前川國男の戦後モダニズムの傑作「京都会館」が「ロームシアター京都」に生まれ変わるまでにおよそ14年かかっている。改修責任設計者の香山壽夫氏は、過去の形式を否定した モダニズム建築は機能が形態と対応しているため、時代に応じ機能が変わるとその建築の形も変わる必要が出てくる。ここが歴史的保 存を望まれる一方、今後の50 年を生きる「モデル」建築として生まれ変わらせる改修のむずかしさであったという。
大きな特徴である大庇は外観そのままに補強改修、雨風にさらされ劣化した2階の水平テラスとPCコンクリートの手すりは内部化し、照明付きの裳階がめぐる居心地の良いロビーとなった。5階席まで設けられた劇場のメインホール、4階まであるサウスホールは座席の色やクッションにまでこだわった力作。客席の見心地の良さ、関係者の搬入口、全てがその身になった設計。二条通りから冷泉通りへのプロムナードは京都町屋の通り庭を思わせる秀逸の保存改修といえる。
ロームシアター京都では、12月2日(木)に「ロームシアター京都 建築ツアー2021」が開催されます。設計を担当した建築家・下川太一の解説とともに、建物を案内。
テーマは、
・「京都会館」の建築の特徴
・「ロームシアター京都」への保存改修の内容
・モダニズム建築とホールを中心とした公共文化施設が再生を経て今どのように運営されているのか
の3つを軸に、劇場建築について理解を深めることができます。
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