特集:旅して楽しむ夏の音楽祭

オープンな学びの場となる音楽祭——奏者とともに音楽性や知識を深める!

イベント
2018.06.18

聴衆として演奏を楽しむだけでなく、学びの機会を得るなら「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」「PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)」「浜松国際管楽器アカデミー&フェスティヴァル」がオススメだ。どっぷり音楽の世界に浸かって、楽しみを深化させてみてはいかがだろうか。

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文:芹澤一美
上写真:浜松国際管楽器アカデミー&フェスティヴァル
オープンな学びの場となる音楽祭

第39回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル

爽やかな夏の草津高原でトップレベルの音楽と温泉を楽しむ

[開催期間]8月17日(金)~30日(木)

日本三名泉のひとつ、草津温泉街からも近い草津高原で開催されるこの音楽祭は、日本初の夏の音楽アカデミー(講習会)とフェスティヴァル(演奏会)として1980年にスタートした。夏の平均気温が17.5度という爽やかな高原で音楽に親しむイベントとして全国的に知られる。40年近い歴史の中で数多くの演奏家が育ち、各地から訪れる音楽愛好家にも親しまれている。

アカデミーの講師は、ピアノ、管弦打楽器、声楽、室内楽などの世界の第一線で活躍する演奏家、指導者たち。毎日、開催される彼らの演奏会が最大の聴きどころだ。1日聴講生としてのレッスン見学と夕方のコンサート鑑賞、夜は旅館で温泉も満喫できる。

温泉街にはだれでも入れる共同浴場が点在しており、また、音楽祭期間中は、コンサートチケットの半券を提示すると、大滝の湯、御座乃湯、西の河原露天風呂の入場料が10%割引になる特典も。街角コンサートや、選抜された受講生によるホテルのロビーコンサートも無料で鑑賞できる。

高原の涼しい気候の中で音楽三昧のひとときを過ごし、名湯で心身の疲れを癒せば、リフレッシュして秋を迎えられそうだ。

*開催地は2018年1月に水蒸気噴火した本白根山から5キロメートル以上離れているため被害はなく、今夏も例年通り音楽祭が楽しめるよう万全の準備が進められている。

イチオシ公演情報
クロージング・コンサート ヴィヴァルディとチャイコフスキーの四季

ヴィヴァルディ、チャイコフスキーの《四季》を、季節ごとにソリストを替えて各4名が演奏。チャイコフスキーの2月~4月の後にヴィヴァルディの「春」を続けるというように、イタリアとロシアの四季が1シーズンごとに聴き比べられる。

 

[日時]8月30日(木)16:00
[出演者]ピアノ:ブルーノ・カニーノ、岡田博美、クリストファー・ヒンターフーバー、高橋アキ ヴァイオリン:サシコ・ガヴリロフ、ウェルナー・ヒンク、マルクス・ヴォルフ、パオロ・フランチェスキーニ、他
[会場]草津音楽の森コンサートホール(群馬県吾妻郡草津町大字草津字白根国有林音楽の森内)
[問い合わせ先]アカデミー&公演に関して=草津夏期国際音楽アカデミー事務局 Tel.03-5790-5561/コンサート&チケットに関して=草津アカデミー・チケット・サービス Tel.0120-949-932
http://kusa2.jp/

毎日のコンサート開演前の風物詩、アルプホルン演奏 ©林喜代種
ドイツのヴァイオリニストで音楽教育家のサシコ・ガヴリロフによるマスタークラス。毎年その眼差しと的確な指摘で緊張感に満たされる ©林喜代種
2013年から開講しているイタリアのソプラノ歌手、ジェンマ・ベルタニョッリのマスタークラス。チャーミングな表現力に常に明るい雰囲気 ©林喜代種
草津フェスティヴァル・オーケストラと草津アカデミー合唱団によるコンサート。草津アカデミー合唱団とは、一般公募されており、プロ・アマを問わず参加できる団体 ©林喜代種
オリジナルの室内楽ができるのも草津ならでは。ヤヴールコヴァー(チェコ・フィル)、バウアーシュタッター(ウィーン・フィル)、そしてチェコを代表するカルテットのひとつ、パノハ弦楽四重奏団メンバーによる室内楽コンサート ©林喜代種
オルケストラ・ダ・カメラ・ディ・ペルージャとジェンマ・ベルタニョッリのコンサート。イタリア人のアンサンブルは弦楽器の華やかな音色に、チャーミングで色彩豊かな歌声が心地よく重なり、草津での馴染みの音になりつつある ©林喜代種
今年も8月20日(月)のコンサートで共演がある、サシコ・ガヴリロフ(ヴァイオリン)、ヴォルフガング・ベッチャー(チェロ)、岡田博美(ピアノ)。ガヴリロフとベッチャーのデュオは草津でしか聴けない貴重なプログラム ©林喜代種
ソプラノの天羽明惠をナビゲーターに迎え行なわれている「子どものためのコンサート」は、今年で5回目を迎える。毎年多くの子ども連れでにぎわうこの公演日は8月20日(月)に予定している ©林喜代種
ホルンのカテジナ・ヤヴールコヴァ-のマスタークラス。2016年ミュンヘン国際音楽コンクール最高位受賞後、演奏会に引く手数多となっているが、今年は草津で彼女の音色だけでなく指導の様子も聴講する機会がある ©林喜代種
草津で20年以上連続しマスタークラスを開講しているオーボエのトーマス・インデアミューレ。彼のマスタークラスからは多くのオーボエ奏者が育っており、現在、日本国内のオーケストラで活躍している ©林喜代種

PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)2018

バーンスタインの思いを継いだ夏の札幌の名物音楽フェス

[開催期間] 7月7日(土)~8月1日(水)

札幌コンサートホールKitaraでのコンサートをはじめ、野外コンサートや街中での無料コンサート、札幌芸術の森での「ピクニックコンサート」など、楽しいプログラムが盛りだくさんの「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」(PMF)。

毎年、この時期に世界各地からオーディションで選ばれた若手音楽家が札幌に集まり、世界的な音楽家を教授陣に迎える「PMFアカデミー」でレッスンを受け、コンサートを開催する。

PMFは、音楽教育を通じて世界平和を願った指揮者で作曲家の故・レナード・バーンスタインによって1990年に創設され、多くの優秀な音楽家を世界に輩出してきた。芸術監督のワレリー・ゲルギエフをはじめ、ヴァイオリンの五嶋みどりなど、充実のソリストと教授陣も華を添える。

PMFアカデミー生による「PMFオーケストラ」も聴きどころのひとつ。世界トップレベルのユースオーケストラとして毎年多くの聴衆を魅了している。バーンスタイン生誕100年の今年は、PMFオーケストラのすべてのプログラムでバーンスタイン作品を演奏。札幌でフレッシュな音楽を聴きながら爽やかに夏を過ごそう!

イチオシ公演情報
PMFオーケストラ演奏会 プログラムB ~バーンスタインの世界~

かつてバーンスタイン指揮によりPMFでロンドン交響楽団と演奏した「セレナード」を五嶋みどりが再演。ジャズの要素を取り入れた陽気なバレエ音楽「ファンシー・フリー」や交響曲第2 番「不安の時代」など、PMF渾身のアニバーサリープログラム。

 

[日時]7月21日(土)17:00/22日(日)14:00
[出演者]指揮:エドウィン・アウトウォーター ヴァイオリン:五嶋みどり ピアノ:アンドリュー・タイソン PMFオーケストラ 
[会場]札幌コンサートホールKitara(北海道札幌市中央区中島公園1-15)
[問い合わせ先]公益財団法人パシフィック・ミュージック・フェスティバル組織委員会 
Tel.011-242-2211
https://www.pmf.or.jp/

今年は、創設者バーンスタインの生誕100年を記念して、PMFオーケストラ演奏会プログラムBはオール・バーンスタイン・プログラム
札幌芸術の森・野外ステージで、お昼から夕暮れにかけて行なわれるピクニック・コンサート。芝生自由席では、寝そべったり、お弁当や飲み物を楽しむなど自由なスタイルで。赤ちゃんも入場でき、ポップアップテントやパラソルを持ち込んで設置できるエリアもある
札幌コンサートホール Kitaraでは、多数のコンサートのほか、世界一流の音楽指導風景を一般に公開する「オープンリハーサル」がある。PMFオーケストラやヴォーカル・アカデミーの、本番とは違う緊張感の中で取り組む様子を鑑賞できる
ヴァイオリニスト五嶋みどり。PMFへの参加は1990年、第1回のフェスティバルでバーンスタイン指揮ロンドン交響楽団と共演して以降2回目 ©Timothy Greenfield-Sanders
会期中は、PMFオーケストラやベルリン・フィル首席奏者などによる室内楽コンサートが数多く行なわれる
PMFオーケストラ・メンバーの室内楽プログラムを、札幌市北3条広場「アカプラ」にて
PMFリンクアップ・コンサート。ニューヨークのカーネギーホールの小学生向け音楽教育プログラムをもとに開発し、2013年から実施している教育プログラム
芸術監督ワレリー・ゲルギエフ。マリインスキー劇場総監督、首席指揮者。PMF第6代芸術監督 ©Marco Borggreve
PMFオーケストラ。オーディションで選抜された国籍もさまざまな若手音楽家で編成する、ひと夏限りのオーケストラ
吹奏楽セミナー。ダイナミックなサウンドで世界を魅了するPMFアメリカのトランペット奏者、トロンボーン奏者、ティンパニ奏者が中学校、高校の吹奏楽部を指導し、共演するプログラムを一般に公開

第24回浜松国際管楽器アカデミー&フェスティヴァル

「音楽の都 浜松」で体感する世界最大規模の管楽器の祭典

[開催期間]7月31日(火) ~8月5日(日)

浜松は日本が世界に誇る有数の管楽器生産地。世界の第一線で活躍する著名な管楽器奏者も、浜松市で製造された管楽器を愛用している。その浜松で1995年に誕生したのが、世界で活躍する管楽器奏者を迎え、若手音楽家の育成のための「アカデミー」と、気軽に管楽器の響きを楽しむ「フェスティヴァル(コンサート)」を開催する音楽祭。管楽器に特化した世界最大規模のイベントだ。

この音楽祭の最大の魅力は、フルートからテューバまで、さまざまな管楽器の世界的奏者が教授陣として一同に集まり、その演奏や指導を間近に聴けること。期間中はオーディションで選ばれた受講生のレッスンを見学することもできる。

また、「音楽の都 浜松」ならではの見どころとして外せないのが、3300点にもおよぶ楽器資料や10000点を越える歴史的資料を所蔵する、国内唯一の公立の楽器博物館。世界の楽器を見ることで音楽の幅も広がるので、ぜひ訪れたい。会場、博物館ともに東海道新幹線浜松駅から近いのでアクセスも抜群。楽器を通じて世界に音楽文化を発信し続ける浜松で音楽と管楽器の魅力を体感しよう!

イチオシ公演情報
オープニングコンサート

フルート界の巨匠、ペーター=ルーカス・グラーフの貴重な演奏、ニューヨーク・フィルハーモニック首席トランペット奏者のクリストファー・マーティンをはじめとした金管五重奏とパイプオルガンの共演など、実力派アーティストの共演が一度に楽しめる豪華なコンサート。

 

[日時]7月31日(火)18:30
[出演者]フルート:ペーター=ルーカス・グラーフ、フィリップ・ピエルロ、クラリネット:マイケル・コリンズ、クロード・フォーコンプレ、サクソフォーン:須川展也、ジャン=イヴ・フルモー、トランペット:クリストファー・マーティン、エリック・オビエ、他
[会場]アクトシティ浜松 中ホール(静岡県浜松市中区板屋町111-1)
[問い合わせ先](株)オーパス・ワン Tel.042-313-3213
https://hamamatsuwindacademy.com/ja/

世界的な管楽器のトップアーティストが集う豪華教授陣。オープニングコンサートでは、全員の演奏が楽しめる
教授陣が一同に会して演奏を披露するオープニングコンサート
今年の講師を務めるスイス出身のフルート界の巨匠、ペーター=ルーカス・グラーフ。8月2日には「これまでの長いフルート演奏人生を振り返って」というテーマで特別講座がある
5日間にわたり、熱のこもったマンツーマンの指導が行なわれるアカデミー
会場となるアクトシティ浜松。浜松市がものづくり中心の「楽器のまち」から文化面での発展を目指し、昭和56年から「音楽のまちづくり」を掲げている中で開設された
オープニングコンサートの会場となる「アクトシティ浜松 中ホール」
期間中は教授陣が出演するコンサートのほかに、受講生のコンサートも開催される
今年も世界から集まる豪華出演者陣
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