諏訪内晶子が芸術監督を務める「国際音楽祭NIPPON2022」スタート!
ヴァイオリニストの諏訪内晶子が芸術監督を務める「国際音楽祭NIPPON2022」が、2月8日(火)から約1か月間、東京・名古屋・陸前高田にて開催される。「感動を紡ぐ」「心をつなぐ」「未来を創る」の3つをキーワードに、7企画10公演が行なわれる。
開催に先立って、諏訪内が記者会見で、音楽祭の全容と見どころが語られた。
音楽祭のスタートを飾るのは、諏訪内が録音・リリースしたばかりのJ.S.バッハの無伴奏ソナタ&パルティータ全曲演奏会。全6曲を2日にわけたプログラムを、東京・名古屋で2回演奏する。
尾高忠明が指揮するNHK交響楽団とは、フランスの現代作曲家アンリ・デュティユーと、諏訪内が「オーケストラとの掛け合いが聴きどころ」と語るブラームスのヴァイオリン協奏曲で共演。ブラームスは、朝の10:30から21:30まで、その室内楽作品のほとんどを1日で網羅するマラソン・コンサートでもたっぷりと演奏される。
室内楽のコンサートはサブテーマとして「女性作曲家」をフィーチャー。ファニー・メンデルゾーン、クララ・シューマン、20世紀ポーランドのグラジナ・バツェヴィチの作品や、望月京(もちづき・みさと)の新作初演も予定されている。
一流アーティストたちによる数々の公演に加え、諏訪内が継続してきたのは東日本大震災復興応援やアウトリーチ活動、次世代の演奏家を育成する公開マスタークラスだ。
「諏訪内晶子&フレンズ~コンサートin陸前高田」は、震災で大きな被害を受け、2020年に「奇跡の一本松ホール」の名で復活した陸前高田市民文化会館で行なわれる。緞帳に描かれた「一本松」とともに、名手たちによる室内楽が楽しめる。
アウトリーチ活動はコロナ禍の状況を鑑みて中止となってしまったが、形を変えたイベントを模索中とのこと。諏訪内とマーク・ゴトーニによる若きヴァイオリストたちに向けた「公開マスタークラス」。通常であれば1週間程度行なわれることも珍しくないマスタークラスだが、この音楽祭ではたったの2日間。その理由を諏訪内は、「プロになれば音楽家は、リハーサルから本番の短い期間のあいだに、共演者と旧知の仲のように打ち解けて、その中で自分の実力を出し切る力が必要」だからと語る。
またこの音楽祭では、アートマネージメントを専攻している大学生またはクラシック音楽業界で働くことを志す大学生が制作現場を体験できるインターン制度を実施。2022年2月23日(水)まで応募可能とのこと。
さまざまな場所で、さまざまな角度から音楽を楽しめる、諏訪内晶子のこだわりが詰まった音楽祭。ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
会期: 2月8日(火)〜3月13日(日)
会場:
名古屋・三井住友海上しらかわホール(無伴奏全曲2/11、2/13)
東京オペラシティ コンサートホール(無伴奏全曲2/16、2/18、NHK交響楽団2/21、ブラームスマラソン3/13)
陸前高田市民文化会館「奇跡の一本松ホール」(諏訪内晶子&フレンズ3/6)
東京・紀尾井ホール(室内楽プロジェクト3/9、3/11)
名古屋・トヨタ産業技術記念館 エントランス ロビー(ミュージアムコンサート3/12)
横浜・フィリアホール(マスタークラス3/3、3/4)
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