動画「幸太の部屋」で読響コンサートマスターの技やイタズラ大公開!
読売日本交響楽団のコンサートマスターを務める長原幸太さんが公開している動画シリーズ「幸太の部屋」では、コンサートマスターのソロについての演奏&解説を通して、“コンマスの視点”を知ることができます。この動画が誕生したきっかけと、今この状況でどんなことを考えているのか、メールと電話でお話を伺いました。
フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...
コンマスとしての長原さんの真髄がぎゅっと凝縮!
ヴァイオリニストの長原幸太さんがYouTubeで公開している動画シリーズ「幸太の部屋」。この動画で長原さんは、オーケストラ作品におけるコンサートマスターのソロを取り上げ、演奏を披露するだけでなく、技術的なアドヴァイスやどのようなタイミングで指揮者を見ているか、何に注意して弾いているかなど、普段なかなか知ることのできない“コンサートマスターの視点”を紹介しています。コンサートマスターとしての経験豊富な長原さんだからこその、貴重なお話が目白押しです。
カメラは長原さんから見て指揮者の目線の先に設置されているので、「指揮者からはこう見えているのか」という新感覚で鑑賞。ソロパートのみを聴くことができるのも新鮮です。
現在は第5回まで公開されていて、第1回から第3回はリムスキー=コルサコフの交響組曲《シェヘラザード》、そして第4回はブラームス「交響曲第1番」の第2楽章が取り上げられています。いずれも、コンサートマスターのソロを代表する作品なので、これから鑑賞する方にも演奏する方にも、役立つ情報満載です。
例えば、《シェヘラザード》第1楽章ソロの1音目では、乙女のイメージを出すために、あえて弱い4の指(小指)を使っているとのこと。大事な1音目に小指?! と驚きましたが、そのぶん、繊細さが出せるのですね。ここで小指を使う際のポイントも、指をアップにしてわかりやすく解説されています。
さらに、ソロを弾くときの大敵、緊張による右手の震えについても「緊張して手が震えそうになるのですが、震えることを恐れず、深い息を吸って、腕の重さをのせて、スーッと弾く」とコメントされていて、すぐに実践できそうなことなので、心に留めておこうと思いました。
ブラームス「交響曲第1番」のソロでは、どの楽器と一緒に弾いているか、それによって音色や弾き方をどう変えているか、オーケストラがどのようなリズムを奏でているかなど、他パートとの兼ね合いを徹底解説。オーケストラと調和した美しいヴァイオリンソロが、いかに細部まで考えられて生み出されているのかが伝わってきます。
第5回は「イタズラ特集 Part 1」として、大のイタズラ好きという長原さんのお茶目な素顔を見ることができます。(※よい子のみんなはマネしないでね!)
今後は息抜き回をはさみつつ、5〜6日に1回の更新になるとのこと。リクエストをもとに選曲するほか、長原さんの練習方法の紹介や、オーケストラ受験を考えている人に向けた内容など、幅広く構想中だそうです。
長原さんにメールと電話でお話を伺いました。
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