福士誠治「音楽にはセリフ以上のものを与えられる瞬間がある」~ミュージカル『ワイルド・グレイ』を3人で作り上げる
注目の舞台人が、ミュージカルの魅力を語る連載「WE LOVE MUSICAL!!」。今回は、韓国発ミュージカル『ワイルド・グレイ』の日本初演版に出演する福士誠治さんが登場。ピアノ、チェロ、ヴァイオリンの生演奏で描く三人舞台への想いや好きな音楽、人生を変えたミュージカルなどについて聞きました。
大学卒業後、フランス留学を経て、『ELLE JAPAN(エル・ジャパン)』編集部に入社。 映画をメインに、カルチャー記事担当デスクとして勤務した後、2020年フリーに...
ミュージカル『ワイルド・グレイ』は、韓国で大ヒットしたミュージカルの日本初演作。19世紀末のロンドン、文学界の異端児オスカー・ワイルドは美貌と若さのために魂を売り渡す青年を描いた小説「ドリアン・グレイの肖像」を連載し、、時代に合わない破格的なテーマと内容で英国社会に衝撃を与える。議論と批判は収まらず、ワイルドが望まない結末で小説を出版する。彼の友人ロバート・ロス(福士)はそんなワイルドを支えるが、ある日、小説の主人公そっくりの美しい青年アルフレッド・ダグラスが現れる……。出演は福士誠治、立石俊樹、東島京、平間壮一、廣瀬友祐、福山康平。演出は本作が初めてのミュージカル演出となる根本宗子。2025年1月8日から新国立劇場小劇場で上演される。
作家オスカー・ワイルドを支える友人ロス役に
——『ワイルド・グレイ』は19世紀のロンドンが舞台で、作家オスカー・ワイルドをめぐる人々を描いたミュージカル。出演したいと思われた決め手は?
福士 まず、韓国発というところに惹かれました。これまで出演したブロードウェイミュージカルなどに比べると、韓国発ミュージカルは少し色合いの違う作り方をしていると思うので、それを体験できるのは面白そうだと思いました。
また、出演者が3人しかいないところもいいなと。少人数の舞台って体力も必要だし、セリフも多くて大変ではあるのですが、そのぶんやりがいもあります。演出家の根本宗子さんとは今回が初めてですが、少人数の舞台だからこそ包み隠さずいろいろなセッションができるのではないかと期待しています。
——「ドリアン・グレイの肖像」「サロメ」などの名作を残したワイルドはスキャンダラスな作家とも言われます。彼についてはどう思いますか?
福士 つかみどころのないミステリアスな男性という印象です。全部が見えてしまわないからこそ、誰もが惹かれてしまう。それに彼は芸術家ですので、生きるうえで止まっていない。絶えず進化している。そんなところも魅力ですね。
関連する記事
-
咲妃みゆの原動力は「自分に飽きたくない」~『空中ブランコのりのキキ』や歌を語る
-
パリの名所が舞台の音楽映画4選! 往年の名画から『オペラ座の怪人』まで
-
音楽を再生の力に! 金沢を中心に北陸で「ガルガンチュア音楽祭」が開催
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly