インタビュー
2022.03.14
総合大学で音楽を学ぼう!

日本大学芸術学部音楽学科で、他ジャンルからの刺激を受け新たな表現力を身につけよう

「日芸(にちげい)」の通称で親しまれている日本大学芸術学部は、写真、映画、美術、音楽、文芸、演劇、放送、デザインの全8学科を備える。総合大学である日本大学を母体とするこの大学はさまざまな分野に輝く才能を輩出している。今回は音楽学科情報音楽コースの三戸勇気教授、作曲・理論コースで学ぶ2年生の芦名弥生さんに「日芸」での学びの魅力を伺った。

取材・文
長井進之介
取材・文
長井進之介 ピアニスト/音楽ライター

国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学...

メイン写真は、第134回定期演奏会(コンチェルト定期)

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日芸での学びの魅力を三戸先生に聞く!

音楽学科 情報音楽コース 三戸勇気 教授
日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程修了。博士 (芸術学)。
日本音響学会、日本音楽知覚認知学会等所属。専門は音楽心理学やモーションキャプチャシステムを使用した演奏の動作解析など。日本音楽知覚認知学会理事、日本音響学会音のデザイン委員会幹事。

——「情報音楽コース」では今大変ニーズの高まっているコンピュータ音楽を学ぶことができますが、「日芸」ではどのような授業があるのでしょうか。

三戸 1、2年生で幅広い科目で学び、3、4年生で分野を絞って勉強していただくスタイルを取っています。実際の授業では、iPhoneのアプリが作れるスキルまで身につけられるプログラミングをはじめ、DTM、ソフトウェア『Pro Tools』を使用したレコーディングなど幅広く学んでいただけます。なお、本学には『Pro Tools』のインストラクター資格を持った教員がいますので、製品を提供するAvid社公認の資格を取ることが可能です。これは就職においても役立つはずです。

——コンピュータ音楽はかなり覚えることが多い印象ですが、入学した学生さんには経験者が多いのですか?

三戸 経験者もいますが、まったく初めてという方もいます。本学は少人数制ということもあり、教員が細かくサポートすることができますし、プログラミングにつきましては初心者向けと経験者向けの2クラスを開講しているので、自分の状態に合わせて学んでいただくことが可能です。

「SWITCH」は、毎年開催される音楽学科情報音楽コースのライブエレクトロニクスとサウンドインスタレーションの祭典。年に一度、2日間にわたり開催される。

——ピアノや声楽など、演奏系のコースも少人数制で基礎から丁寧にご指導いただけますね。その成果を発表できる場は多いのでしょうか?

三戸 オペラやオーケストラ、コンチェルトやピアノのコンサートなど幅広く発表の場を設けています。本学主催の公演は基本的に外部のホールを利用し、実際のコンサートホールを体験していただけるのが特徴です。1年生から即戦力として活躍できるのも、少人数制ならではです。

実際のコンサートホールでの演奏の場を体験できるピアノコンサート。

——「日芸」は総合大学ということで、他学科との連携や、就職に関するサポートも充実しているようですね。

三戸 「他学科公開科目」というものがあり、音楽学科の学生が写真学科や演劇学科の授業を取るといったことが可能です。もちろん、その逆もあります。また、個人的な交流だけでなく、卒業制作、さらに「日芸アートプロジェクト(通称:NAP)」といったイベントで、作品やダンス、演奏などのコラボレーションが盛んに行なわれています。

——学生さんの卒業後の進路はいかがでしょうか。

三戸 もっとも多いのは就職で、ゲーム会社やマスコミ・マスメディア関係、楽器販売や製作など、業種はさまざまです。教員や音楽以外の職業を選択する方もいますし、フリーランスで創作や演奏に携わる方、大学院への進学など、それぞれ希望の道へ進まれていますね。

本校は母体が日本最大の規模を誇る日本大学ということもあり、企業セミナーやキャリアアップのガイダンスなどが充実しています。音楽大学というよりは、日大の一つの学部として就職活動ができるので、幅広い選択肢や可能性があります。本学には多様な個性をもった学生がいて、お互いに刺激を与えあいながら成長していると思います。受験生の皆さんにも、ぜひ日芸でたくさんのインスピレーションを得ていただきながら将来の道を拓いていってほしいです。

先輩に聞く!

音楽学科 理論コース 2年 芦名弥生さん

——日本大学芸術学部の作曲・理論コースに進学を決めた理由を教えてください。

芦名 4歳からずっとヴァイオリンを習っており、大学で音楽を学びたいと考えたとき、高校が日大の付属だったこともあり、日芸を身近に感じたのが大きかったです。作曲・理論コースにしようと思ったのは、演奏だけではなく、音楽史など学術的な面を幅広く学びたくなったためです。

——作曲・理論コースにはどのような学生さんが多いのでしょうか。

芦名 私の学年ではフルートをやっていた方や、高校までピアノ専攻だった方など、もともとかなり楽器をしっかり学んでいた学生が多いと思います。

——分析や理論を学ぶにあたっては、和声などさまざまなルールを学ばなくてはいけませんが、入学前から勉強をされていたのですか?

芦名 ヴァイオリンしか弾いていなかったので、受験を決めるまで知識はほぼゼロのような状態でした。しかし入学後、授業で基礎の基礎から徹底的に、しかもわかりやすく教えていただけているので、とても安心しています。少人数ということもあり、先生に質問すればとても丁寧に教えてくださるのも心強いです。しっかりと段階を踏んで学ぶことができました。

——少人数制は日芸の魅力ですね。実際の学校生活でもそれは感じられますか?

芦名 私の学年はコース生が9人なので、ほかのコースと比べるとさらに少ないこともあり、一緒に課題に取り組んだり、助け合うことが多いです。

——日芸では専攻に在籍しながら、ほかのコースの授業も履修できるという魅力があります。芦名さんも作曲・理論コースに籍を置きながら、オーケストラの授業を受講されていますね。

芦名 オーケストラの合奏授業に参加しています。講師の先生方も合奏に加わってくださるので、常に先生の音色を間近で感じながら練習ができ、たくさん学ばせていただいています。また副科で受講しているヴァイオリンのレッスンでは、ソロだけでなくオーケストラの楽曲も見てくださるなど、とても幅広く対応していただいており、あらゆる面で成長を実感しています。

また、夏は「コンチェルト定期」、冬には「オーケストラ定期演奏会」と、大きな発表の場もあるのがうれしいです。

オーケストラ定期演奏会に出演する芦名さん。
オーケストラ定期演奏会出演者の仲間と、充実した本番演奏後の笑顔の1枚。写真右から2人目が芦名さん。

——芦名さんはまだ2年生ですが、卒業後の進路は考えていらっしゃいますか?

芦名 漠然としていますが、音楽に携わりたいという想いは強いです。現在、特に興味があるのはオーケストラのステージマネージャーやレセプショニストなどです。また、日芸には音楽学科の各専攻ごとに助手の方がいらっしゃるのですが、すごく親身に相談に乗ってくださるので、最近その仕事への憧れも強くなっています。

学校データ
日本大学芸術学部音楽学科

国内最大規模の総合大学日本大学内に、写真学科、映画学科、美術学科、音楽学科、文芸学科、演劇学科、放送学科、デザイン学科の8つの学科を備えた総合芸術学部。コースや専攻、学科の枠を越えて1 つの作品を合同制作するコラボレーションや、8学科すべての学生が履修できる「芸術総合講座」の実施など、他ジャンルからの刺激がそれぞれの芸術に磨きをかけ、幅と奥行きのある表現力を養成する。

音楽学科は、作曲・理論、音楽教育、声楽、ピアノ、弦・管打楽、情報音楽の6コースに分かれ、きめ細かな個別指導による実技演習を中心とした専門教育を実施。

毎年、受験準備講習会を実施。詳細は決まり次第、音楽学科HPに掲載される。

詳しくはこちら

問い合わせ:

日本大学芸術学部音楽学科

江古田校舎 東京都練馬区旭丘2-42-1 

TEL:03-5995-8240

mailto: ongaku@nihon-u.ac.jp

 

取材・文
長井進之介
取材・文
長井進之介 ピアニスト/音楽ライター

国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学...

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