ようこそ日生劇場ファミリーフェスティヴァルへ!家族で過ごす、忘れられない夏
日生劇場で夏休みの期間に開催される「日生劇場ファミリーフェスティヴァル」。家族が揃って本物の舞台に触れることをテーマに、1993年に日生劇場開場30周年を記念してスタートしました。
建物全体が芸術作品のようなこの歴史ある劇場で、お子さまの舞台デビューはいかが?家族で日生劇場を楽しみ尽くす過ごし方をご案内します! また2025年の魅力的なラインナップについて、芸術参与の粟國淳さんに観どころを伺いました。
家族で舞台デビュー! 日生劇場を楽しみ尽くす過ごし方
30年以上も続いている「日生劇場ファミリーフェスティヴァル」。ここで初めて劇場体験をしたその感動を伝えたいと、お子さんやお孫さんを連れて三世代でいらっしゃる方や、リピーターのファミリーも多いそうです。
これまでたくさんのファミリーに接してきた日生劇場 案内係の松尾千尋さんに、お子さまと一緒に観劇を楽しむためのポイントや、劇場内のとっておきのスポットを教えていただきました。
初めての劇場体験でいちばん心配なのが、お子さまが観劇中に騒いだりしたらどうしよう、ということではないでしょうか。ファミリーフェスティヴァルでは、お子さまが泣きだしてしまったり、トイレに行きたくなったりしたら、いつでもロビーに出ることができます。「モニターを見ながらお休みして、やっぱりまた見られるかも、となったら私どもにお声がけください。改めてお席までご案内いたします」。
さあ、お待ちかねの開幕!おしゃべりはいったん静かにしましょう。それから、スマホや携帯ゲーム機は、音や光が出ない設定にしてカバンの中へ。飲み物は、蓋がしっかりしているペットボトルや水筒だったら、開演前と休憩時間には客席で飲んでも大丈夫。もちろん、売店で購入することもできます。
舞台が盛り上がってくると、子どもたちもヒートアップ!つい拍手をしたり、声を出したりしたくなるけれど、上演中はNG?「いえいえ、面白かったら声を出して笑ったり、感激したら拍手していただけると、演者さんたちも私たちも嬉しいです。劇中で、『大きい声を出して助けてあげて!』とお願いする場面があったりすると、お子さんたちが一生懸命頑張ってくれます。そんな姿を見ると、私たちも感激して思わず涙腺が緩みそうになります……!」。ちなみにオペラグラスがあると、役者さんの表情や、オーケストラで楽器を演奏している様子など、見るポイントがたくさんあって楽しめるそうです。
子どもたちのパワーがばーっと劇場内に溢れると、大人も元気をもらえそう。「『子ども向けの作品だろうと思ってきたけれど、意外と私の方が楽しめた』という保護者の方がいらしたり、アンケートに書かれた感想を見て、ふだんは気づかなかったお子さまの成長を感じたり、家族の会話のきっかけにもなるそうです」。
楽しみながらマナーを身につけられて、子どもの成長も感じられる。劇場は、一度で二度も三度もおいしい体験ができる場所なのですね。
「自分もそうなのですが、子どもの頃に見たものは大人になっても心に残っているものです。劇場に行くのはちょっとハードルが高いなと思っている方も、ぜひ気軽にご家族でお出かけください。もしかしたらそれが、お子さまの人生を変えるきっかけになるかもしれません。いらした時は、案内係一同、笑顔でサポートいたします!」
(取材・文:ONTOMO編集部)
芸術参与の粟國淳さんにきく 日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2025の観どころ
30年以上にわたって多くの人に愛されているこのファミリーフェスティヴァルの2025年ラインナップが発表されました。今年は、物語付きクラシックコンサート『アラジンと魔法の歌』、人形劇とダンスが融合した舞台版『せかいいちのねこ』、バレエ『コッペリア』、NHKみんなのうたミュージカル『リトル・ゾンビガール』~ノノとショウと秘密の森~の4公演が予定されています。芸術参与の粟國淳さんに、各公演の観どころをお話しいただきました。
日生劇場新芸術参与。東京生まれローマ育ち。サンタ・チェチーリア音楽院でヴァイオリンと指揮法を修め、オペラ演技・演出法をM. ゴヴォーニ女史に師事。ローマ歌劇場で研鑽を積み、ヨーロッパを拠点に活躍。藤原歌劇団、新国立劇場、東京二期会、びわ湖ホールなど国内、および海外で多数の作品の演出を手掛ける。
日生劇場オペラでは、ゴリホフ作曲『アイナダマール』の日本初演、『セビリアの理髪師』の演出で高い評価を得る。また毎夏恒例の日生劇場ファミリーフェスティヴァルにおいて「アリスのクラシックコンサート」シリーズをたびたび演出し、こどもたちからの熱い支持を得ている。
「『アラジンと魔法の歌』は舞台上にフル・オーケストラが乗り、オペラ歌手と俳優が歌と演技で物語を演じていきます。登場する楽曲はオペラのアリアや童謡、バレエ音楽などさまざまなジャンルをクロスオーバー。今年は指揮にフランスで活躍中の阿部加奈子さんをお迎えします。音楽がどうやって生まれてくるのかを感じていただけるような舞台になると期待しています。
2021年の物語付きクラシックコンサート『アラジンと魔法の歌』ダイジェスト動画
『せかいいちのねこ』は、原作のヒグチユウコさんの絵本の世界を、人形とダンス、歌が入り混じりながら描いていきます。山田うん さんが演出・振付・脚本・作詞を行ない、ヲノサトルさんのオリジナル楽曲で綴る総合芸術作品です。
バレエは毎年、日生劇場の規模に合う形、かつ小さなお子さんでも飽きずに楽しめるように2時間という枠でプロダクションを作ってもらっています。今年は東京シティ・バレエ団の人気演目である『コッペリア』を上演。東京シティ・フィルがオーケストラ・ピットに入るので、生演奏の迫力もお楽しみください。
『リトル・ゾンビガール』はNHK「みんなのうた」の楽曲を使ったミュージカルで、ストーリーは完全オリジナル。自然の大切さや違いがあってもわかりあうことなど、現代的なテーマをわかりやすく、カラフルな舞台で描きます。
家族で、とくに予習などせず、気軽に足を運んでみてください。そして舞台を楽しんだらぜひ、原作の絵本などにも触れて世界を広げてくださると嬉しいです」。
子どもたちにとって初めての劇場体験が日生劇場というケースは多く、子ども時代にここで初めて舞台を観て、大人になって日生劇場のスタッフとして働いている、という人もたくさんいるそうです。「ただ作品を観るだけでなく、大勢の大人と一緒に劇場空間を共有するという体験は、お子さんたちにとってかけがえのないものになると思います。楽しみながら人とのコミュニケーションやマナーも学べるので、ぜひご家族でいらしてください」と粟國さん。
今年の夏休みは、日生劇場で舞台デビューをしてみませんか。
(取材・文:室田尚子)
①物語付きクラシックコンサート『アラジンと魔法の歌』
オーケストラの生演奏と音楽の基本がわかる物語!
アラジンと一緒に消えた音楽を取り戻そう!フルオーケストラの生演奏でオペラのアリア、童謡、バレエ音楽などたくさんの楽曲をお芝居とともにお届けします。国内外で活躍する指揮者の阿部加奈子や名ヴァイオリニストの川田知子の演奏、オペラ歌手の美しい歌声もお楽しみに!
日程:2025年7月26日(土)・27日(日)
指揮:阿部加奈子
演出:眞鍋卓嗣
作曲・編曲・音楽アドバイス:加藤昌則
出演:又吉秀樹(アラジン/バリトン)、岡田 誠(ランプの精)、宮地江奈(カンタービレ/ソプラノ)、町 英和(魔法使いムーサ/バリトン)
演奏:ニッセイシアターオーケストラ 川田知子(コンサートマスター)
②舞台版『せかいいちのねこ』
大好評につき、早くも再演決定!
大好きなぼっちゃんにいつまでも愛されるため、本物のねこになりたいぬいぐるみのニャンコ。旅先で本物のねこたちの優しさに触れ、本当の幸せを見つけます。表情豊かな人形とダンサーたちが、原作絵本の優しくも切ない世界を、あたたかい言葉や楽しい歌と踊りで描きあげます!
日程:2025年8月2日(土)・3日(日)
原作:「せかいいちのねこ」ヒグチユウコ(白泉社)
演出・振付・脚本・作詞:山田うん
音楽監督・作曲:ヲノサトル
出演:人形劇団ひとみ座、Co.山田うん
③バレエ『コッペリア』-日生劇場版-
東京シティ・バレエ団の人気作品を解説付きで!
ポーランドを舞台に、変わり者の発明家コッペリウスの家の窓辺に座る美しい人形コッペリアをめぐる、村の若者フランツと恋人スワニルダの愉快な愛の物語。心躍る振付、そして演技力あふれるダンサーがオーケストラの生演奏とともに繰り広げる名作バレエをお楽しみに!
日程:2025年8月15日(金)・16日(土)・17日(日)
演出・振付:石井清子
芸術監督:安達悦子
音楽:L.ドリーブ
出演:東京シティ・バレエ団
指揮:井田勝大
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
④NHKみんなのうたミュージカル『リトル・ゾンビガール』~ノノとショウと秘密の森~
小さな勇気が奇跡を起こす。友情で世界が変わる!
人間との平和な共存を目指して立ち上がったかわいいゾンビと人間の子どもたちの勇気と友情の物語。家族そろって口ずさめるNHK「みんなのうた」の名曲が散りばめられた、感動のミュージカルが、ついに日生劇場にかえってきます! 歌とダンスで盛り上がろう!
日程:2025年8月23日(土)・24日(日)
脚本:德野有美
作曲・音楽監督:八幡 茂
演出:鈴木ひがし
出演:熊谷彩春(ノノ)、南野巴那(ショウ)、コング桑田(親分)、石田佳名子(ハル)、丸山泰右(クルス)、大和悠河(リリィ)他
チケット発売日
先行発売(Web):2025年5月15日(木)11:00~20日(火)まで
一般発売(Web/電話):2025年5月23日(金)11:00~
日生劇場Webチケット会員(入会金/会費無料)に登録されると先行発売にて、いち早く割引料金で購入いただけます。
問合せ:03-3503-3111(受付時間AM11:00~PM5:00)
[運営] (公財)ニッセイ文化振興財団
[座席数] 1334席
[オープン]1963年
[住所]〒100-0006東京都千代田区有楽町1-1-1
[問い合わせ]03-3503-3111
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