インタビュー
2025.06.30
オーケストラの舞台裏 vol.6

新日本フィルハーモニー交響楽団コントラバス奏者・藤井将矢さん「一音でオーケストラを動かすおもしろさを知ってほしい」

重厚な響きでアンサンブルの基盤を築くコントラバス。低音域から全体を支えるその存在は、まさにオーケストラの“縁の下の力持ち”です。新日本フィルハーモニー交響楽団のコントラバス奏者・藤井将矢さんは、実業団での経験を経て、音楽の道を切り拓いた異色の経歴の持ち主。中学でコントラバスと出会ったときの直感から、プロとして舞台に立つまで、その道のりと、コントラバスという楽器に込める思いをうかがいました。

「オーケストラの舞台裏」は、オーケストラで活躍する演奏家たちに、楽器の魅力や演奏への想いを聞く連載です。普段なかなか知ることのできない舞台裏を通じて、演奏家たちのリアルな日常をお届けします。

取材・編集
寺田 愛
取材・編集
寺田 愛

編集者、ライター。女性誌編集、ECサイト編集・ディレクター、WEBメディア編集長、書籍編集長などを経て現在。はじめてクラシック音楽を生で聞いたのは生後半年の頃。それ以...

撮影:齋藤大輔

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音楽の原点は父が弾いていたギター

——まずは自己紹介をお願いします。

藤井将矢さん(以下、藤井): 福岡県で生まれ育ちました。小学生のころは少年野球に夢中でスポーツ中心の生活。家では、バンドマンだった父がギターを弾いていて、その音に自然と親しんでいました。父に教わってギターを触るうちに、音楽の楽しさに少しずつ気づいて、中学では吹奏楽部に。最初に手にしたのがコントラバスでした。

——コントラバスを選んだきっかけは。

藤井: ギターを触っていたおかげで、弦のチューニングにはなじみがありました。実はギターの上から4本と、コントラバスの上から4本のチューニングは同じなんです。初めてコントラバスに触れたときも、ギターで弾き慣れた感覚のまま音を出せて、「これなら弾けそうだ」と思ったのを覚えています。

藤井将矢(ふじい・しょうや)
1989年、福岡県飯塚市生まれ。東京藝術大学音楽学部別科修了。
これまでにソリストとして新日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団と共演。
宮崎国際音楽祭をはじめ様々な国内の音楽祭に参加。コントラバスを黒木岩寿、時津りか、永島義男、吉浦勝喜の各氏に師事。
2016年入団。現在新日本フィル コントラバス・フォアシュピーラー。

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