フルート奏者で龍角散社長の藤井隆太が語る演奏家の「健康経営」
演奏家、とくに管楽器奏者にとって喉の健康は死活問題! 演奏前のトラブルで焦った経験がある方も多いのでは? そこでONTOMO編集部はプロのフルート奏者で、鎮咳去痰薬を中心に製造・販売している株式会社 龍角散の代表取締役社長の藤井隆太さん(隆は正しくは生のうえに一の字)にインタビュー。管楽器奏者の「喉の健康」について伺いました。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
株式会社 龍角散は、社名にもなっている鎮咳去痰薬「龍角散」を製造・販売する、江戸時代から続く製薬会社。「ゴホン! といえば龍角散」のキャッチコピーでもお馴染みです。
現在、8代目(株式会社になってからは5代目)の代表取締役社長を務める藤井隆太さんは、音楽高校・大学そしてフランス留学で音楽を学んだ、プロのフルート奏者でもあります。1995年の社長就任以降は、喉の健康に重きを置いた経営方針で数々のヒット商品を生んでいます。
そんな「管楽器」と「喉」のプロフェッショナルである藤井社長に、「管楽器奏者の喉の健康」について伺いました。
トラブルでも演奏に対応できる「健康経営」を
——ご自身が演奏前に心がけている健康のためのルーティンなどあれば教えてください。
藤井 仕事柄、海外出張や接待飲み会も多く、10年程前までかなり太り気味で体調も不調でありました。商工会議所の議員になったことをきっかけに「健康経営」に目覚め、汗をかくほどの速足で毎日約一万歩を目標に歩くことを心掛けました。毎日体重を計測することでモチベーションも上がると、自然と暴飲暴食も避けるようになります。結果、10年前と比較して体重が10キロ程減り人間ドックの結果も好転しました。
驚いたのはブレスが長くなったことです。昨年バルカン室内管弦楽団と共演しましたが、学生時代に使った譜面と比較してもブレスの回数が減っていました。これは同じ長さのフレーズであった場合、表現力の増大を意味するのです。
——演奏前の体調のトラブルで焦ったご経験はありますか? どのように切り抜けましたか?
藤井 フルーティストにとって唇の乾燥、荒れは大敵です。業界内外の懇親会などで急に演奏することもあり、唇も荒れ、しかも中国式の乾杯の洗礼も受け、それでも演奏しなければならない状況は音楽家の常識では想定できない状況です。
しかし回数を経るに従って、いかなる環境であっても演奏できるようになったのは進歩でした。リップクリームだけは、自宅、会社など何箇所にも置いてあります。
楽器演奏を健康のモチベーションに
——龍角散は演奏前にも服用できますか? どんな効果が期待できるでしょうか?
藤井 如何なる環境でも演奏しなければならないということは、寒くても暑くても乾燥していても埃っぽくても対応しなければならないということです。演奏を始めて「喉が…..」では仕事にならないので、演奏前には予防的に飲んでいます。
しかし、症状もないのに麻薬成分などを含んだ強い鎮咳去痰薬は服用したくはありません。龍角散は血中に入って効く薬ではなく、生薬成分が喉の粘膜を潤すので、通常の呼吸よりはるかに激しい呼吸となる演奏中でも、かなり楽になることを実感しています。
——喉の健康にとって、普段から心がけたいことはなんでしょうか。
藤井 私の場合、「セルフメディケーション」の推進に尽きます。常に喉の状態に関心を持ち、喉が乾燥したり不快感があれば「龍角散ののどすっきり飴」や「龍角散ののどすっきりタブレット」などで和らげます。
夜寝る前は砂糖を含んだものは舐めたくないので、ノンシュガーの「龍角散ののどすっきりタブレット」や、微粉末生薬製剤の「龍角散」で就寝中の喉を乾燥やホコリなどから守ります。外出時などは水なしでサッと溶ける顆粒タイプの「龍角散ダイレクトスティック」や、マンゴー味の「龍角散ダイレクトトローチ」が手放せません。
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