インタビュー
2025.08.28
オーケストラの舞台裏 vol.10

東京交響楽団首席フルート奏者・竹山愛さん「今日来てよかったと思える音を作りたい」

澄んだ響きから力強い音まで、幅広い音色を自在に操る、東京交響楽団首席フルート奏者・竹山愛さん。聴く人の心に残るひとときを届けるため、仲間との一体感を何より大切にしています。フルートとの出会いからこれからの夢まで、お話を伺いました。

「オーケストラの舞台裏」は、オーケストラで活躍する演奏家たちに、楽器の魅力や演奏への想いを聞く連載です。普段なかなか知ることのできない舞台裏を通じて、演奏家たちのリアルな日常をお届けします。

取材・編集
寺田 愛
取材・編集
寺田 愛

編集者、ライター。女性誌編集、ECサイト編集・ディレクター、WEBメディア編集長、書籍編集長などを経て現在。はじめてクラシック音楽を生で聞いたのは生後半年の頃。それ以...

撮影:齋藤大輔

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

きっかけは音楽部のかわいいユニフォーム

——フルートを始めたきっかけを教えてください。

竹山愛さん(以下、竹山) 小学校の運動会で、音楽部のお姉さんたちが水色のトレーナーに白いスカート、白いベレー帽というすごくかわいいユニフォームで演奏していました。それがすごく印象に残って、そこで演奏していたフルートがかわいい楽器だなと思ったのがきっかけでした。

ところが、部活を見学したときは、クラリネットとサックスがかっこよく見えて、第一、第二希望に書いたんです。でも、家に母のフルートがあって、「せっかく楽器があるのだからやってみたら?」と言われて、やはりフルートに決めました。もともとリコーダーも好きだったので、歌を歌う感覚で吹ける楽器を手にしたときはうれしかったです。

ただ、最初は全然音が出なくて……学校の休み時間も音楽室でこっそり練習して、1週間くらいでやっと音が出るようになりました。

竹山 愛(たけやま・あい)
東京藝術大学を経て同大学院修士課程修了。ロームミュージックファンデーションの助成を得てミュンヘン音楽演劇大学Zertifikatsstudium Meisterklasseを修了。第79回日本音楽コンクール第1位(併せて岩谷賞)。第26回日本管打楽器コンクール第1位。第8回神戸国際フルートコンクール第3位など受賞歴多数。ソロアルバム「Plays Paris」「GATE」をリリースし、レコード芸術誌において共に準特選盤・特選盤に選出された。これまでにフルートを糸井正博、三上明子、金昌国、神田寛明、斎藤和志、木ノ脇道元、寺本義明、P.ブークリーの各氏に師事。東京藝術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団首席フルート奏者を経て現在東京交響楽団首席奏者。

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ