尾上右近がジャンルを越えて輝く理由~自分を追い込み歌舞伎もそれ以外も挑戦し続ける
歌舞伎俳優でありながら、ミュージカルやバラエティーなどでも活躍する尾上右近さん。詩楽劇『八雲立つ』では主人公のスサノオを演じ、ヴァイオリンの川井郁子さんや和楽器の吉井盛悟さん、太鼓の田代誠さんなど、幅広いジャンルの共演者とひとつの舞台を作っていきます。ジャンルを越える心構えや、歌舞伎のファンを増やすために必要なことなど、熱い考えを教えていただきました!
東京藝術大学大学院修士課程(音楽学)修了。東京医科歯科大学非常勤講師。オペラを中心に雑誌やWEB、書籍などで文筆活動を展開するほか、社会人講座やカルチャーセンターの講...
東京国際フォーラムが2017年の開館20周年を機にスタートさせた「J-CULTURE FEST」は、日本古来の伝統芸能に新たな価値を見出したいという思いから始まった企画。2018年からは本物の装束を纏う舞台公演「井筒装束シリーズ」として開催されていますが、今年は、『古事記』の世界をもとに日本の神々の物語を描く詩楽劇『八雲立つ』が上演されます。
構成・演出を手がけるのは、日本舞踊尾上流四代家元として、古典から新作物まで幅広く手がける尾上菊之丞。演奏はヴァイオリンの川井郁子、和楽器の吉井盛悟、太鼓の田代誠。
この新たな音楽劇で主人公のスサノオを演じるのが、歌舞伎役者の尾上右近さん。近年では大河ドラマ『青天を衝け』をはじめ、ミュージカルやバラエティーなどジャンルを横断した活躍で注目される右近さんに、この作品に対する意気込み、また、歌舞伎という伝統芸能の中での生き方まで存分に語っていただきました。
ジャンルを超えて輝く才能
——今回の詩楽劇『八雲立つ』には、歌舞伎界から右近さんがご出演されるほか、元宝塚歌劇団雪組トップスターで退団後もミュージカルなどでご活躍の水夏希さん、日本舞踊、クラシック音楽や石見神楽までが登場します。
尾上右近 まさに「舞台表現の総合格闘技」です(笑)。あれもこれもあるというエンタメ性と煌びやかで本格的な衣裳という要素の中で、僕の役割は、いい意味で「かき混ぜる」ことなんじゃないかと思っています。もともと、歌舞伎というのはなんでも許容するもの。いろいろなものを受け止めた上で、それをかき混ぜるエネルギーのある芸術なんです。
いろいろなジャンルの人が集まって一緒に舞台を作るときには、呼吸を合わせるのが大切ですが、僕の役スサノオはさらにそこから「どこにいくのかわからない」感じ、収まりのきかない感じを出したいと思っています。
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