2020.01.18
おやすみベートーヴェン 第34夜【ボンでの少年・青年時代】
「ポンス(パンチ)の歌」——ベートーヴェンお気に入りのお酒で乾杯!
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ベートーヴェンお気に入りのお酒で乾杯! 「ポンス(パンチ)の歌」
1791年あるいは92年ころの作曲と推定され、WoO109の《喜びの手もてグラスをあげよ》と同じ時期に作曲されたと思われる。これもウィーンに旅立つベートーヴェンを見送る仲間たちで歌われたのだろう。作詞者不明であるが、ベートーヴェン自身の作詞の可能性が高い。
「いったい誰だ? ポンス(パンチ酒)が熱き手から手へと仲間を廻っているというのに、喜びと楽しさを感じない奴は誰だ。そんな奴はさっさと這って消え去れ。我らは飲もう、みんなご機嫌。グラスにポンスが満たされる限り。我らは飲もう、みんなご機嫌。グラスにポンスが満たされる限り。我らは飲もう……(何度も繰り返し)……。」
解説:平野昭
ポンス(パンチ酒)は、蒸留酒に果汁や砂糖を混ぜたお酒だそうで、ベートーヴェンが愛飲していたとも伝えられています。送別会で自作の歌で盛り上がって、ご機嫌にお酒を飲む若きベートーヴェン。想像してみると、ほほえましいですね。
作品紹介
「ポンス(パンチ)の歌」WoO111
作曲年代:1791/92年?(ベートーヴェン21/22歳?)
出版:1925年
作詞者不詳
関連する記事
-
《第九》が年末に演奏される理由とは?《第九》トリビアを紹介!
-
ベートーヴェン《月光》の献呈相手ジュリエッタのことを友人に綴った手紙
-
ベートーヴェンの生涯と主要作品
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2025.06.30
新日本フィルハーモニー交響楽団コントラバス奏者・藤井将矢さん「一音でオーケストラ...
2025.06.29
カーネギホール芸術監督が語るユースオーケストラの力~音楽の未来を育て人生を変える
2025.06.28
「体は“生きた楽器”そのもの」ソプラノ・森麻季に聞く、声のコンディションの整え方
2025.06.27
音楽と氷上の夢のコラボ。角野隼斗×鍵山優真、エキシビション新作発表
2025.06.27
【音楽を奏でる絵】ターナーからメンデルスゾーン、ワーグナーへ~「自然」への想像力
2025.06.26
今週の音楽家の名言【ピアニスト・石井琢磨】
2025.06.26
田代万里生の音楽ヒストリー① 音楽に囲まれて育った幼少期
2025.06.25
大井駿さんがハチャトゥリアン国際コンクールで第2位入賞「今後も演奏や執筆を通して...