チャイコフスキー《くるみ割り人形》の名盤! 音楽評論家が選んだ3枚
クリスマスの定番、チャイコフスキーの《くるみ割り人形》。数ある録音の中からONTOMO MOOK『新時代の名曲名盤』で音楽評論家に選ばれたベスト3をご紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
日本の年末の定番といえば、やはりベートーヴェンの「第九」! ですが、ヨーロッパでは少々事情が違います。各劇場はこぞって主の生誕を祝うヘンデルの《メサイア》、子どものためのオペラであるフンパーディンク《ヘンゼルとグレーテル》や、大晦日を舞台にしたヨハン・シュトラウス2世の《こうもり》、そしてなんといってもクリスマスが舞台のチャイコフスキーのバレエ《くるみ割り人形》を上演します。最近では東京・新国立劇場がヨーロッパの劇場にならって、年末年始にかけての連続上演を行なっています。
クリスマスの夜、兵士になって動き出し、ねずみの王さまと戦うくるみ割り人形、雪の世界やお菓子の世界を巡る少女の物語……。このバレエは1892年の初演以来、たくさんの子どもたちと子どもの心を忘れない大人たちを惹きつけてきました。
《くるみ割り人形》のあらすじやくわしい解説はこちらの記事をチェック!
チャイコフスキーの最晩年に書かれた《くるみ割り人形》は、音楽だけでも十分に楽しめる作品。チャイコフスキー自身がバレエ上演に先立って聴きどころを選んだ演奏会用組曲版だけでなく、全曲あるいは2幕のみなどがコンサートで演奏されることもあります。
名作中の名作だけに、全曲・組曲をあわせるとかなりの数の録音がリリースされてきました。
そこで今回は、8名の音楽評論家がそれぞれの「ベスト3」に投票、集計してベスト・ディスクを決めたONTOMO MOOK『新時代の名曲名盤500+100』で選ばれた16枚の録音から、上位3位までの3録音をご紹介します!
選ばれた3枚はいずれも全曲録音。ドイツ、ロシア、イギリスのオーケストラの個性の違いを楽しむこともできそうです。さらにたくさんの録音を聴いてみたいと思った方は、ぜひ本誌もチェックしてみてくださいね。
それでは1位から参りましょう!
第1位:サイモン・ラトル(指揮)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、リベラ(合唱)
若いころから光っていたラトルの特質のひとつに、耳グルメとも言えるほどの美しく微かな響きや、繊細極まる色彩美への志向がある。そしてもうひとつはこれも美しく運動性の高いリズム。ただしバレエ的というより演奏会的。
石原立教
ONTOMO MOOK『新時代の名曲名盤500+100』より
第2位:ヴラディーミル・ユロフスキー(指揮)、ロシア国立アカデミー管弦楽団『エフゲニー・スヴェトラーノフ』(ロシア国立交響楽団)
ニーナ・クプリャノヴァ(ハープ) ヴェラ・アルマゾヴァ(チェレスタ) スヴェシニコフ少年合唱団、アレクセイ・ペトロフ(合唱指揮)
第3位:マイケル・ティルソン・トーマス(指揮)、フィルハーモニア管弦楽団
関連する記事
-
チャイコフスキーとその妻を描いた話題の伝記映画が日本公開決定
-
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は年下青年との恋から生まれた!?
-
悪妻か自業自得か? 結婚したら波乱が巻き起こった作曲家トップ3
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly