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2020.03.15
おやすみベートーヴェン 第91夜【天才ピアニスト時代】

「ヴラニッキーのバレエ《森の娘》のロシア舞曲主題による12の変奏曲」——当時の人気曲をモチーフにした変奏曲

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ
編集協力:水上純奈

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当時の人気曲をモチーフにした変奏曲「ヴラニッキーのバレエ《森の娘》のロシア舞曲主題による12の変奏曲」

裕福な伯爵ヨハン・ゲオルク・フォン・ブロウネ=カミュは妻アンナ・マルガレーテ(1769~1803、旧姓ミュニッヒ伯爵令嬢)とともに、1794年暮れ頃にウィーン駐在ロシア上級将校として赴任し、その財力もあって、ウィーン貴族界でも目立った存在となった。

ブロウネ=カミュ伯爵は伝記上では目立たない脇役であるが、ウィーン時代初期のベートーヴェンにとっては重要なパトロンの一人であった。ベートーヴェンがピアノ曲を献呈した女性のほとんどがピアノ演奏を嗜む人であったが、ブロウネ=カミュ伯爵夫人アンナ・マルガレーテは自ら演奏することはなかったようだ。彼女にはOp10の3曲のピアノ・ソナタ(第5〜7番)の他、1797年4月に出版したP.ヴラニツキーのバレエ《森の娘》から、当時人気のウィーンの宮廷バレリーナ、マリア・カッセンティーニ(生没年不詳/ウィーン滞在1796〜1804)が踊った「ロシア舞曲の主題による12の変奏曲」WoO71(中略)も献呈されている。

——小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)94ページより

ベートーヴェンが当時の人気曲をモチーフにしたのは、彼にとって重要なパトロンであった伯爵夫人に贈るためなのですね。

作品紹介

「ヴラニッキーのバレエ《森の娘》のロシア舞曲主題による12の変奏曲」WoO71

作曲年代:1796年10月以降(ベートーヴェン25〜26歳)

出版:1797年4月

小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)
ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

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