8つの歌曲(リート)第4曲「五月の歌」——20代の文豪ゲーテとベートーヴェンによる若さあふれる歌曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
20代の文豪ゲーテとベートーヴェンによる若さあふれる歌曲 8つの歌曲(リート)第4曲「五月の歌」
ゲーテの詩による。
「なんとまぶしいまでに自然は私に輝くことだろうか! なんと太陽は輝くことか! なんと述べは笑いかけることか! 花は咲く、それぞれの枝から、そして、幾千もの声が茂みから響いてくる。喜びと幸せ……おお恋よ……おお少女よ……永久に幸せであれ、私を愛しながら」と歌う。
正確な成立時期は不明であるが、1795年に、舞台音楽に定評のあった作曲家イグナツ・ウムラウフ(1746~96)のジングシュピール(ドイツ語の歌芝居)《美しい靴屋の娘》の挿入曲として、オーケストラ伴奏付きの「2つのアリア」WoO91 の第2曲 に編曲しており、作曲はこの少し前と考えられている。《美しい靴屋の娘》は、1779年6月の初演以来、ブルク劇場の人気レパートリーとなって、1802年までに60回上演された。
解説:平野昭
この詩を書いたとき、ゲーテは20代前半でした。ドイツ文学と音楽を代表するゲーテとベートーヴェンが、ともに20代前半で作った作品です。フレッシュでいきいきとした雰囲気をお楽しみください。
8つの歌曲(リート)第4曲「五月の歌」Op.52
作曲年代:1796年以前、95年前後?(ベートーヴェン25歳前後?)
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