2020.04.12
おやすみベートーヴェン 第119夜【天才ピアニスト時代】
「ピアノ・ソナタハ長調」――初恋のエレオノーレに贈った“やさしい”作品
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
初恋のエレオノーレに贈った“やさしい”作品「ピアノ・ソナタハ長調」
ボンを離れてウィーンに出たベートーヴェンは、すぐにエレオノーレに2曲の作品をプレゼントしている。ひとつは既にボンにいるころから着手していた《モーツァルトの「フィガロの結婚」から「もし伯爵様が踊るなら」の主題によるヴァイオリンとピアノのための12の変奏曲》WoO40であり、もうひとつはおそらく1749年ころから97年までの間に作曲された《やさしいピアノ・ソナタ、ハ長調》WoO51である。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)22ページより
以前ご紹介したヴァイオリンとピアノのための変奏曲とともに、平野さんがベートーヴェンの初恋の相手だったかもしれないと推測しているフォン・ブロイニング家の長女エレオノーレに献呈されています。
ピアノのテクニックが「やさしい」だけでなく、柔らかく優しい印象のこの曲。やはり、ベートーヴェンがエレオノーレに特別な感情を抱いていたのでは、と考えてしまいますね。
作品紹介
ピアノ・ソナタ ハ長調 WoO51
作曲年代:?1797~98年(ベートーヴェン27〜28歳)
出版:1830年ドゥンスト社
平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
関連する記事
-
大阪の音楽の街・豊中市でまちなかクラシック! 今年は動画配信でローカルを楽しむ
-
プロ5団体が出演!「大阪クラシック2020」は生演奏と無料動画配信のセットで開催
-
次代を担う若手に出会える! サントリーホール室内楽アカデミーの修了演奏会
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2021.01.17
「わたしのため息、わたしの涙よ」BWV13——顕現節第2日曜日
2021.01.16
ピタゴラスやプラトン、ケプラーからたどる「音楽がもたらす宇宙の調和」
2021.01.16
2021年上半期の運勢〜「風の時代」にラッキーフードと音楽でパワーアップ!
2021.01.16
2021年は200年規模の「新時代」が本格的にスタートする年! 青石ひかりの12...
2021.01.15
新国立劇場バレエ団《くるみ割り人形》のオンデマンド配信が開始
2021.01.15
『桐島、部活やめるってよ』と《ローエングリン》にみる信奉する危うさとその結末
2021.01.15
追悼ファニー・ウォーターマン——コンクールを創設したピアノ教育者が残した言葉より
2021.01.15
サントリーホール開館35周年! 記念事業の概要を発表