2020.04.22
おやすみベートーヴェン 第129夜【天才ピアニスト時代】
「交響曲第1番 ハ長調 第1楽章」——ベートーヴェン初の交響曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
ベートーヴェン初の交響曲「交響曲第1番 ハ長調 第1楽章」
ベートーヴェンの作品の中でも、交響曲は広く親しまれているジャンルの一つではないでしょうか。その最初となる「交響曲第1番 ハ長調 」を、本日から1日1楽章ずつご紹介します。
ベートーヴェンは、師ハイドンがロンドンから帰国した1795年頃から交響曲の創作に向けて始動していた。1795年から96年にかけて未完に終わった「ハ長調交響曲」のための大量のスケッチが残されているが、これとは別に1798年ころにも別の「ハ長調交響曲」のためのスケッチが残されている。これらのスケッチのほんの一部ではあるが、やがて完成される交響曲第一番の終楽章主題の素材に使われるが、作品21となる「ハ長調」交響曲の作曲は心機一転して1799年に集中的に行われた。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)51ページより
現在の第1番となる「ハ長調交響曲」の完成までに、大量のスケッチを書いていたとは驚きですね。たくさんのアイデアを出してやっと完成させた第1番、本日は第1楽章を聴いてみましょう。
作品紹介
「交響曲第1番 ハ長調」Op.21
作曲年代:1799〜1800年3月(ベートーヴェン29歳頃)
初演:1800年4月2日
出版:1801年11月ホフマイスター社(ウィーン)
平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
おやすみベートーヴェン
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