プレイリスト
2020.05.08
おやすみベートーヴェン 第145夜【作曲家デビュー・傑作の森】

「ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調」——《葬送》の名をもつ革新的な作品

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ
編集協力:水上純奈

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

《葬送》の名をもつ革新的な作品「ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調」

初めての交響曲や弦楽四重奏曲で大きな成功を収めることになるこの時期、ピアノ・ソナタではさらなる新しい表現様式を求めてさまざまな実験的革新が試みられる。この時期の最大の特徴はソナタ形式による第1楽章を回避することである。作品26の「変イ長調ソナタ」は4楽章構成をとっているということでは第2期(註:ベートーヴェンのピアノ・ソナタ創作期間における、1793年から1800年を指す)の性格も受け継いでいるが、各楽章の構成は第2期とは全く異なる。《葬送》の愛称をもつこの作品、第1楽章が変奏曲、第2楽章がスケルツォ、第3楽章がマルチャ・フュネブレ(葬送行進曲)、そして終楽章がロンドとなっている。

——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)235ページより

この曲をもって、新たなステージに立ったベートーヴェン。これまでピアノ・ソナタで当たり前とされていた3楽章構成から脱却し、4楽章構成で作曲しています。

1801年にはこのOp26を含めて、4曲のピアノ・ソナタが書かれており、どれも実験的な作品になっています。直前に書かれたという「ピアノ・ソナタ第11番 Op22」と聴き比べると、革新的な部分をより感じられるかもしれません。

作品紹介

「ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調」Op.26

作曲年代:1800〜01年(ベートーヴェン30〜31歳頃)

出版:1802年3月カッピ社

平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ