2020.06.08
おやすみベートーヴェン 第176夜【作曲家デビュー・傑作の森】
6つのレントラー——ヴァイオリン2本とコントラバスによる民俗舞曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ヴァイオリン2本とコントラバスによる民俗舞曲 6つのレントラー
2本のヴァイオリンとコントラバスのための3重奏として作曲され、出版されている。
レントラーは、一説にはウィンナ・ワルツの原形と言われることもある。南ドイツおよびオーストリアの地方に伝わる4分の3拍子の民俗舞曲。ワルツやメヌエットのような貴族的な優美さより、素朴で力強い民衆的な生命力にあふれている。
1802年の夏前には作曲されていたと思われる。全6曲がポプリのように連続して演奏される実用舞曲(おそらく舞踏会で使われたと思われる)。第4曲だけがニ短調で、他の5曲はすべてニ長調。終曲だけが61小節と長いが、ほかはすべて、前半と後半それぞれが反復される16小節で書かれている。
解説:平野昭
ヴァイオリン2本とコントラバスという珍しい編成ですが、軽やかなメロディと内声、そして低音で支えるコントラバスのバランスが耳心地いい作品です。
作品紹介
6つのレントラーWoO15
作曲年代:1802年(ベートーヴェン32歳)
出版:1802年9月アルタリア社(ウィーン)
おやすみベートーヴェン
2020.12.16
弦楽五重奏曲断章ハ長調——最終回! 穏やかな雰囲気に包まれた未完の絶筆作品
2020.12.15
《大フーガ》(4手)変ロ長調——最高傑作の内容を余すところなく反映させたピアノ連...
2020.12.14
「弦楽四重奏第16番 ヘ長調」第3、4楽章——重態のベートーヴェンが見舞い客の実...
2020.12.13
「弦楽四重奏第16番 ヘ長調」第1、2楽章——弟ヨハン邸宅の美しい環境で書かれた...
2020.12.12
「弦楽四重奏第14番 嬰ハ短調」第5〜7楽章——カールの将来についてベートーヴェ...
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2024.04.27
川口成彦・青柳いづみこ対談〜ピリオド楽器コンクール鑑賞をより楽しむ方法
2024.04.26
ウィーン少年合唱団が来日!シューベルト組がメルヒェンと四季をテーマに全国ツアー
2024.04.26
川口成彦・青柳いづみこ対談〜ショパン演奏に新たな道を切り拓いたピリオド楽器コンク...
2024.04.25
2024年アニバーサリー作曲家をコンサートで聴こう! 音楽ライターが選ぶ10公演
2024.04.22
ピアニストの辻井伸行がドイツ・グラモフォンと日本人初のグローバル専属契約
2024.04.22
ネゼ=セガン音楽監督、総裁ゲルブが語る METオーケストラの新時代と来日公演の聴...
2024.04.22
『レコ芸』歴代編集部員が選ぶ 心に刺さった批評#4 演奏解釈の背景に広がる豊かな...
2024.04.21
ルクレツィア・ボルジア~悪徳の一家に生まれたヒロインは本当に「悪女」だったのか