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2020.06.25
おやすみベートーヴェン 第193夜【作曲家デビュー・傑作の森】

「ピアノ三重奏曲 卜長調《カカドゥ変奏曲》」——使用された流行歌から作曲年代を推定

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ
編集協力:水上純奈

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使用された流行歌から作曲年代を推定「ピアノ三重奏曲 卜長調《カカドゥ変奏曲》」

この《カカドゥ変奏曲》は1816年に書かれた自筆譜が残っており、1816年頃の作品とする記述もあったようです。しかし現在では、それ以前に作曲したものを、出版に際して改めて書き起こした可能性が高いと考えられており、作曲年代は1803年説が定着しています。

平野 ベートーヴェンは変奏曲を書く時の主義として、その主題が登場する作品が流行している時に書こうという傾向があります。みんなが知っている主題が変奏曲ではアピールする印象が違いますから。《カカドゥ変奏曲》の主題のアリアが歌われるヴェンツェル・ミュラー(1759-1835)作曲のジングシュピール《プラハの姉妹》は1803年前後にかなり上演されたものなので、1816年ということはまずあり得ないと思います。

——小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ 限りなき創造の高みへ』(音楽之友社)51ページより

Op.121aという遅い作品番号をもつ作品ですが、作品番号は出版社がつけるものだったので、作曲年代とは関係がありません。意外と? 流行に敏感だったベートーヴェンの一面が、作曲年代を特定する手がかりになった1曲です。

作品紹介

「ピアノ三重奏曲(第11番)卜長調《カカドゥ変奏曲》」Op.121a

作曲年代:1803年?(1816年改訂?)(ベートーヴェン33歳?)

出版:1824年5月

「ベートーヴェンとピアノ」続巻 2020年6月27日発売!

小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ 限りなき創造の高みへ』(音楽之友社)
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

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