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2020.07.03
おやすみベートーヴェン 第201夜【作曲家デビュー・傑作の森】

「《レオノーレ》序曲 第1番」——幻のプラハ上演のために作曲

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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幻のプラハ上演のために作曲「《レオノーレ》序曲 第1番」

1805年の11月の初演(序曲は「レオノーレ」第2番)も、3幕から2幕に改訂した1806年3月、4月の改訂初演(序曲は「レオノーレ」第3番)も期待したほどにお客は入らなかった。

 

「ああー、もう嫌だ! ウィーンの連中はこのオペラで私が言おうとしていることを、まったくわかろうともしない。私が精魂込めたこの傑作、ウィーンがだめでもプラハの音楽界ならわかってくれるはずだ」と、ベートーヴェンが言ったかどうかは定かではない。「よし、この改訂稿にもっと新しい序曲をつけてプラハ上演の準備でもするか!」。

 

残念ながら、この1808年のプラハ上演計画はお流れになってしまった。ベートーヴェンの生存中に、この序曲は一度も演奏されなかったのだ。

解説: 平野昭

3日間連続でご紹介したオペラ《レオノーレ》関連作品。ベートーヴェンの愛着とこだわりも虚しく、作品の成功は1814年《フィデリオ》としての改訂上演までお預けとなります。

ちなみに、序曲の番号は作曲順に第2番、第3番、第1番となっています。それはベートーヴェンの死後、この「《レオノーレ》序曲 第1番」の出版時に、作曲年代が勘違いされたことから起こってしまったそうです。

作品紹介

「《レオノーレ》序曲 第1番」op.138

作曲年代:1807年(ベートーヴェン37歳)

出版:1832年

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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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